【木造駅舎カタログ】山陽本線021/30 玖波駅
※2020年8月撮影
トップ画像は、山陽本線玖波駅。広島駅(神戸駅から304.7km)を過ぎ、安芸灘に沿って南下。宮島口駅で沖に浮かぶ厳島を横に見て玖波駅があります。神戸駅からは、336.4km。
玖波駅の「玖」の文字、黒色の美しい石と辞書に書かれていましたが、日常的に眼にすることはありません。地名としての玖波は、山間部からの木材の積出港として栄えた歴史から貯木場を意味する「木場」が転訛したものと言われています。岩徳線の玖珂(くが)駅も同じ文字を使っています。この木造駅舎シリーズで筆者は初めて眼にした文字です。
逆光なのが残念ですが、瓦屋根が極めて美しい木造駅舎です。構内跨線橋から観た屋根が最も美しいと思います。駅舎のプロポーション、瓦屋根の組み合わせが絶妙で個人的には「最も美しい木造駅舎」の一つに数えています。
南側から。
※2020年8月撮影
駅舎の前には植込みと池があります。玖波駅は、1897年(明治30年)山陽鉄道の駅として開業しました。1906年(明治39年)山陽鉄道が国有化。1909年(明治42年)線路名称制定で山陽本線所属駅になりました。1992年(平成4年)みどりの窓口営業開始。2003年(平成15年)業務委託駅になります。2007年(平成19年)ICOCA(ICカード)対応簡易自動改札機設置。2015年(平成27年)西口改札を新設。
※2020年8月撮影
駅出入口。恐ろしく古い建物財産標がありましたが判読できませんでした。どうやら1949年(昭和24年)に改築された様です。現状がとても良い状態なので丁寧に改修されているのでしょう。郵便ポストの向こう側は土手下に細い道があって右側は駐輪場。
※2020年8月撮影
出入口正面。終始高校生の仲良しカップルが楽しそうに話をしていました。羨ましいなぁ。ホームは相対式で木造駅舎は下りホーム側です。上りホームには、2015年(平成27年)に開設された西口改札があります。
※2020年8月撮影
北側から。
※2020年8月撮影
駅の北側は土手になっていて行き止まりの細い道があります。木造駅舎を見上げる様になります。妻壁の通気口が装飾っぽくてユニーク。
※2020年8月撮影
※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。
(写真・文章/住田至朗)