新幹線の転生先は・・・東武鉄道の葛生駅?「東海道新幹線車両」の再生アルミを利用した日本初の建築物が誕生
東武鉄道の東武佐野線葛生駅(栃木県佐野市)の旅客トイレが改修され、建材として「東海道新幹線再生アルミ」が使用されました。この取り組みは、鉄道駅の旅客トイレとしては全国初の事例となります。今まで数々の駅を駆け抜けてきた新幹線が、駅の施設として新たな役割を担うという驚きのニュースです。新しいトイレは、2025年10月9日(木)から供用が始まっています。
N700系、次の停車駅は「トイレ」です!?驚きの転身
今回、東武佐野線の葛生駅に設置される新しい旅客トイレでは、全ての柱や梁といった構造部分に、「東海道新幹線再生アルミ」が使用されています。今まで数々の駅を駆け抜けてきた新幹線が、一つの駅の施設となって人々を迎え入れるというニュースには、鉄道ファンならずとも興味を惹かれます。
トイレには、新幹線からリサイクルされた建材が使われていることを示す特別な銘板も設置される予定です。

CO2排出量97%削減!地球に優しいトイレ
この取り組みの大きな特徴は、その環境性能の高さにあります。
「東海道新幹線再生アルミ」は、車体に使用していたアルミをマテリアルリサイクルしたもので、通常のボーキサイトからアルミを新しく製造する場合に比べて、CO2排出量を約97%も削減できるエコな素材です。
品質も新しく作るアルミと同等で、安心して使用できるものとなっています。東海道新幹線再生アルミの活用は、環境負荷を低減するサステナブルな社会の実現に向けた大きな一歩と言えるでしょう。
東武鉄道は、今年度中に宇都宮線の国谷駅でも、同じ素材を使った旅客トイレの改修を予定しています。
「葛生駅 新・旅客トイレ」概要
「東海道新幹線再生アルミ」を使用した東武佐野線葛生駅(栃木県佐野市)の旅客トイレは、2025年10月9日(木)から供用開始となりました。この駅のトイレは1989年に建てられたもので、今回の改修でアルミニウム造の平屋として生まれ変わっています。
東武佐野線葛生駅に登場した新しい旅客トイレは、「東海道新幹線再生アルミ」を構造材に採用した鉄道駅の旅客トイレとしては日本初の事例です。CO2排出量を約97%削減するこの画期的な取り組みは、鉄道の歴史と未来のサステナビリティをつなぐ象徴的なプロジェクトです。
葛生駅を訪れた際には、新幹線だった頃に思いを馳せながら新しいトイレを利用してみてはいかがでしょうか。
(画像:東武鉄道、JR東海、ジェイアール東海商事)
鉄道チャンネル編集部
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