スモールツーリズムで鹿島線へ

2021年9月22日、鹿島線乗車のスモールツーリズムで千葉に出掛けました。東京から佐原まではJR総武線と成田線を乗り継ぐルートが一般的ですが、今回は京成電鉄で京成成田へ。成田でJR成田線に乗り換えました。千葉を経由するJRに比べ、三角形の頂点を直接結ぶルートの京成は、距離を短縮できるメリットがあります。

成田から佐原まではわずか5駅、30分足らずで案外近い。観光資源豊富な佐原の街も観光したいところですが、今回はスルー。佐原駅で鹿島線E131系に乗り換えます。

降りたホームの反対側に鹿島線の電車が待機していれば分かりやすいのですが、車内放送では「反対側ホーム」とのこと。跨線橋を渡っても、列車がどこなのか良く分からない。ホームをよくよく見渡せば、前方(銚子寄り)の引き込み線のような線路に、2両編成の電車が停車していました。

ADVERTISEMENT

以前は佐原にも貨物線ホームがあったはずで、それを鹿島線ホームに転用したのでしょう。佐原駅は、2面3線(鹿島線ホームを除く)の構造。鹿島線を専用ホームから発着させることで、ダイヤの自由度が増します。記憶の範囲ですが、高崎駅の八高線ホームも同じような構造だったと思います。

鹿島神宮の1駅手前の延方で下車

鹿島線紀行の目的は鹿島神宮駅の構造を見ること、そしてE131系への乗車ですが、直接鹿島神宮駅には向かわず、1駅手前の延方で下車しました。撮影ポイントの少ない鹿島線にあって、多くのガイドで推奨されるのが「北浦橋梁」。北浦は霞ヶ浦と総称される湖の一つで、延方ー鹿島神宮間の北浦橋梁は延長1236メートル。トラスのないプレートガーター橋で、列車が湖上を滑っているようにも見えます。

こちらは手前の水門を写し込んでみました

出発前にネット検索した「鹿島線撮影スポット」には「延方駅徒歩15分の北浦築堤」とあったので、駅から闇雲に歩き出したのですが、途中で道に迷い、何とかスポットにたどり着いたのは延方駅下車の1時間ほど後。1本行ってしまうと次の列車まで1時間以上間が開くのがローカル線の常で、築堤で読む本を持って行ったのは不幸中の幸いかもしれません。

E131系は1日中鹿島線を行ったり来たり

鹿島線の列車は1日16往復で、線区外に直通するのは成田ー鹿島神宮間の1.5往復だけ。ほとんどの列車は線区内完結の折り返し運転で、その点でも基本2両編成、ワンマン運転対応のE131系にぴったりのような気がします。

今回、E131系の詳細なプロフィールも入手できたのですが、紹介は最終章に回し、鹿島線の実質的な終点・鹿島神宮駅を案内したいと思います。駅は島式ホーム1面2線で、片側にJR鹿島線、反対側に水戸方面から乗り入れる鹿島臨海鉄道の車両が停車し、階段の上り下りなしで乗り継げます。

高架上にホームがある鹿島神宮駅。周辺にビルなどがないので、駅が非常に大きく見えます

水戸ー鹿島サッカースタジアム間の鹿島線は、元々国鉄新線として計画されたのですが、完成前に国鉄改革があって、茨城県などが出資する三セクの鹿島臨海鉄道として1985年に開業。このあたりの経緯は、同じ三セク鉄道の北越急行(新潟県)や智頭急行(兵庫、岡山、鳥取県)にも共通します。

ただ、鹿島臨鉄が北越急行などと異なるのは貨物列車も運行する点。社名はJR貨物グループの臨海鉄道ですが、旅客列車と貨物列車が走るのは別の区間。臨海鉄道で旅客列車を運行するのは、ほかに岡山県の水島臨海鉄道があります。

鹿島神宮駅に入ってきたのは鹿島臨海鉄道の8000形気動車2両編成。片側3ドアロングシートの通勤型車両で、JR東日本のE131系電車と違和感なく並びます。今回は鹿島神宮駅で佐原方面にUターンしましたが、次回は鹿島臨鉄に乗り継いで、水戸方面に向かってみたいと思います。