いま鉄道&建造物好きな人たちが、車窓から見える風景で「うおーっ」と唸る区間がある。

そのひとつが、東海道線 戸塚~大船の間。現場は大船駅の北側、東海道線と根岸線が分岐する付近。

ここにあるまっしろなコンクリート製の橋脚が整然と立ち並ぶ姿や、それらを結ぶ高架道路が見事な曲線美が、車窓からみえる。

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これら高架道路は、建設中の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)横浜環状南線。通称、横環南(よこかんみなみ)。

横環南は、横浜横須賀道路(横横道)釜利谷JCTと国道1号線を結ぶ8.9kmの新設道路。その7割が地下構造で、残りの3割がこうした地上部・高架道路になる。

5路線9線の線路上に、もうひとつの“線路”

この首都圏中央連絡自動車道(圏央道)横浜環状南線工事の最大の山場は、ここ東海道線・横須賀線・京浜東北線・根岸線・東海道貨物線という5路線9線もある線路上に主桁を架ける作業。

こうした5路線9線もある線路上での高架道路建設には、線路付近にクレーンを設置できないことから、送り出し工法が採用されている。

送り出し工法とは、主桁を送り出すスタート地点側に構築した仮受け台上に、レールとなる軌条桁を設置し、その上部で組み立てた主桁を、軌条桁に沿って延ばして据え付けるという工法。

―――この首都圏中央連絡自動車道(圏央道)横浜環状南線の東海道線交差部の建設は、設計がジェイアール東日本コンサルタンツ、施工は大林組、奥村組、戸田建設。

大林組公式サイトには、この送り出し工法のイメージ動画や、運転士からの視点でのイメージ動画が紹介されている。