整備工場を出て、新金谷駅構内を走る「きかんしゃトーマス」

静岡県の大井川鐵道で、「きかんしゃトーマス」の冬季特別運転が2021年12月24日からスタートした。2014年のデビュー以来はじめての年またぎ運転で、2022年1月3日までの毎日と、1月7~10日の合計15日間、トーマスが客車を引っ張って、新金谷ー千頭間(37.2キロ)を1日1往復する。

イベント名は、すっかりおなじみになった「DAY OUT WITH THOMAS 2021」で、「トーマスの休日」といった意味。トーマスが物語の舞台の架空の島・ソドー島を離れ、休日を利用して、日本の子どもたちに会うため日本にやってきたという設定だ。

2021年秋季は、機関車の車両整備計画変更を受けて10月の運転が見送られたため、ほぼ3ヵ月ぶりの再登場。待ちかねた子どもたちや鉄道ファンも多く、乗客の多くは子ども連れ。静岡市から訪れた親子3人のファミリーは、「やっぱり本物のトーマスは、すごい迫力。最高のクリスマスプレゼントだ」と話した。

トーマスをバックに記念撮影

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沿線は、2021年10月の緊急事態宣言解除後に人出が戻りつつあり、沿線自治体や観光関係団体はトーマスの集客効果に期待。新金谷駅を起点に、お茶のフードパーク「KADODE OOIGAWA」(島田市)、花と鳥のテーマパーク「掛川花鳥園」(掛川市)、イチゴ狩り園「ジャパン・ベリー」(藤枝市)といった近隣の観光スポットを結ぶ無料周遊バス「大井川おでかけバス」の運行も始まった。

初日はトーマス仕様の車両で運行された「大井川おでかけバス」

初日は9時過ぎに、新金谷駅にあるきかんしゃトーマスの整備工場がオープン。構内ではトーマスのほか、「とくしゅしょうぼうしゃのフリン」や「バスのバーティー」が来場客を歓迎した。この日が運転日だった「2かいだてバスのバルジー」も交え、トーマスの世界に誘う乗り物が勢ぞろいした。

整備工場を出て新金谷駅ホームで客車を連結したトーマスは、定刻の10時38分に発車。11時54分に到着した千頭駅では、転車台で進行方向を変えるトーマスを、ファンや家族連れがカメラに納めた。

記事:上里夏生

(c)2021 Gullane(Thomas)Limited.