リテールテックに登場した「TTG-SENSE SHELF」(筆者撮影)

鉄道と流通(小売業)に共通する課題は? 答えは人手不足への対応かもしれない。解決のための新技術が、鉄道では無人運転、流通では無人販売。

課題解決に乗り出したのがJR東日本グループ。鉄道では、新幹線や在来線の自動運転に挑戦。流通では、グループのスタートアップ(ベンチャー)「TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー=TTG)」が、無人決済(支払い)システムの普及に取り組む。

TTGは2024年2月、進化形の無人店舗「TTG-SENSE SHELF(シェルフ=商品棚)」をJR品川駅で実証実験。SHELFの流通業界へのお披露目になったのが、2024年3月12日から東京都江東区の東京ビッグサイトで始まった「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」(日本経済新聞社主催)だ。あす15日まで。

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TTGは総合展のうち、小売業界の新技術を発信する40回目の「リテールテックJAPAN」の東芝テックブースに出展。品川駅と同様の〝自動販売対応の棚〟を設置して、来場者に体験してもらった。

新登場のSHELFは、幅90センチの商品棚1台から出店可能。支払いは、Suicaなどの交通系ICカードとクレジットカードで、スマートフォンアプリは不要。スマホに不慣れな、シニアや外国人旅行者も使いやすい。

TTGと資本提携する東芝テックは、POSレジやセルフレジで店舗近代化に取り組む。TTGは、有力パートナーという位置付けだ。

急成長を続けるTTGは山梨県富士吉田市の「ハイランドリゾートホテル&スパ」(富士急グループ)に無人みやげ品点を開業。岩手県盛岡市と大分県大分市には、美容/化粧品コーナーを開設した。両店は「盛岡フェザン」、「アミュプラザおおいた」という駅ビル内。さらに、JR東日本駅への新店舗開設もアナウンスされる。

記事:上里夏生

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