2025年の大阪・関西万博に続き、日本で開かれる次なる大規模な国際博覧会、「2027年国際園芸博覧会」(略称:GREEN×EXPO 2027)の最新会場計画が公表されています。2027年3月19日から9月26日までの192日間、横浜市の旧上瀬谷通信施設で開催されるこの博覧会は、花と緑を通じた「幸せを創る明日の風景」をテーマにした、最上位(A1)クラスの国際園芸博覧会で。期間中に、1,500万人の来場者を見込んでいるこの壮大な未来の祭典のに関しての最新情報をお伝えします。また、その会場近隣では、ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオ並みの大規模な新テーマパーク計画や、新しい交通システムが検討されていますので、その情報も合わせてお伝えします。

横浜市でも広大な自然が残る、米軍の上瀬谷通信施設跡地が会場に!

「GREEN×EXPO 2027」の会場は、横浜市の郊外の旭区・瀬谷区に位置する「旧上瀬谷通信施設」です。2015年に米軍から返還された約242ha(東京ドーム約51個分) という広大な土地で、そのうち約100haが、今回の博覧会区域となります。
米軍の通信施設として使用されてきたことから、長年にわたり土地利用が制限されていました。そのため、横浜市内にありながら、農地や緩やかな起伏の草地など豊かな自然環境が広がり、川の源流部や谷戸地形等の貴重な自然が残っている場所です。

2027年国際園芸博覧会へのアクセス想定

会場へのアクセス手段として過去には新交通システムの導入なども検討されてましたが、現在の計画としては、会場周辺の4駅(相鉄線の瀬谷駅・三ツ境駅、JR横浜戦の十日市場駅、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅)からのシャトルバスや、空港・主要ターミナル駅からの直行バスなどが、アクセス想定となっています。

壮大すぎるテーマ「幸せを創る明日の風景」とは

2027年国際園芸博覧会 会場イメージ

「GREEN×EXPO 2027」のテーマは”幸せを創る明日の風景”。なんだか壮大でフワッとしていますが、これは植物の持つ多様な価値を改めて見つめ直し、自然と共生することで得られる幸福感を、未来の社会の風景として具体的に見せていこう、という思いが込められています。

この大きなテーマをより分かりやすくするために、「自然との調和」「緑や農による共存」「新産業の創出」「連携による解決」という4つのサブテーマが設定されています。これらを切り口に、地球温暖化や生物多様性の損失といった地球規模の課題に対し、植物の力を活用した解決策や、新しいライフスタイルを提案していくことを目指します。
会場には、3つの「ゾーン」と、5つの「Village」が設けられる計画になっています。

会場内のゾーニング計画 (図:横浜市)

未知との遭遇!?植物の真の姿から江戸時代の花屋敷まで

会場では、テーマを具現化する様々な展示が計画されています。
中心となる「テーマ館」では、地球上の生命の8割以上を占めるという植物の未知なる力や真の姿を、最新の映像技術と展示技術を駆使して紹介。
東日本大震災の津波に耐えた陸前高田市の「奇跡の一本松」の根も展示され、植物と菌類が共生する土の中の世界を最新の研究成果に基づいて解き明かすとのことです。

また、「園芸文化展示」では、世界最高水準にまで発達した江戸時代の日本の園芸文化の神髄を表現。屋外には当時の植木屋や花屋敷が再現され、季節の移ろいと共に日本の美しい自然観を体感できる空間となります。

イメージ

「政府出展」では、会場の自然環境を活かした美しい「令和日本の庭」が屋外に創り出されるほか、屋内では地球が抱える課題を「みどり」で解決する可能性を提示し、来場者一人ひとりの行動変容を促す展示が予定されています。

イメージ(提供:国土交通省・農林水産省)

自治体も企業も市民も!377件の出展者が集う共創の祭典

この博覧会の特徴は、単なる展示の集合体ではない点です。「Village」と呼ばれる共創事業エリアでは、コンセプトを共有する民間企業、教育・研究機関、市民などが集い、「幸せを創る明日の風景」を共に創り上げていきます。2025年3月19日時点では、この「Village出展」に13件、食育などをテーマにした「テーマ営業出店」に4件が内定しています。プロたちが美と技術を競う「花・緑出展」には、企業・団体・個人で287件、自治体では73自治体が決まり、計360件が内定しています。

全て合わせると、377件の企業や自治体、団体などがこれまでに出展・出店内定しており、まさに多様な主体が連携して会場を創り上げる一大プロジェクトとなっています。(2025年3月21日の訂正発表時点)

出展・出店の地図イメージ

「GREEN×EXPO 2027」概要

正式名称:「2027年国際園芸博覧会(略称「GREEN×EXPO 2027」)」
テーマ:”幸せを創る明日の風景”。
開催期間:2027年3月19日(金)~9月26日(日)
会場:神奈川県横浜市の旧上瀬谷通信施設
会場面積は約100ha(うち会場区域80ha)で、1,500万人の参加者(うち有料来場者1,000万人以上)を見込んでいます。

近隣では新テーマパークや東名高速新IC、新交通計画も

会場となる横浜市の旧上瀬谷通信施設の地域では、新しい大型テーマパークや、相鉄線瀬谷駅と上瀬谷地区を結ぶ新しい交通の整備、そして近くを走る東名高速の新インターチェンジ計画も発表されています。
特に、国際園芸博の場所に隣接地する約71ha(東京ドーム約15個分)という広大な敷地において、三菱地所などが進める、大規模な新テーマパーク「KAMISEYA PARK(仮称)」に関しては、多くの関心を集めています。

(参考記事)横浜でディズニーランド規模の “新テーマパーク” 計画が進行中!相鉄駅からの新交通、東名高速の新IC+次世代物流で横浜・上瀬谷が未来都市に
https://tetsudo-ch.com/13014493.html

次世代の大型テーマパーク「KAMISEYA PARK(仮称)」イメージ (横浜市)

2027年に横浜で開催される「GREEN×EXPO 2027」は、花と緑を通じて未来の幸せな社会のあり方を考える、これまでにない国際園芸博覧会となりそうです。多彩な展示や多くの企業・団体との共創によって、どんな「明日の風景」が描き出されるのか、今から開催が待ち遠しいですね。

(画像:公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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