羽田空港の第1ターミナルに、木の天井が広がる新しいラウンジ。2026年9月1日(火)、第1ターミナル北側に新設された「北側サテライト施設」の供用開始にあわせ、カードラウンジ「FOREST LOUNGE(フォレスト ラウンジ)」がオープンします。
第1ターミナルは1993年9月の供用開始から約33年。大規模な施設の拡張は、今回が初めてです。搭乗口が6つ増え、バスで飛行機まで移動する機会が減るほか、羽田空港では初となる木造とのハイブリッド構造も採用されました。ラウンジの利用条件から施設の中身まで、順に見ていきます。

羽田空港初のカフェ一体型ラウンジ カードがなくても1,320円で使える

「FOREST LOUNGE」は、提携クレジットカードを持っていれば無料で使えるカードラウンジです。ただしカードを持っていない人でも、料金を払えば利用できます

羽田空港第1ターミナル北側サテライトにオープンするFOREST LOUNGEの入口
9月1日オープンの「FOREST LOUNGE」。手前がテイクアウトカウンター(画像:日本空港ビルデング)

【利用料金】
大人:1,320円
4〜12歳:660円
3歳以下:無料
提携クレジットカード保有者:無料

料金に含まれるのはソフトドリンク1杯(2杯目以降は有料)とフリーWi-Fiで、お酒は有料です。席数は22席とコンパクトなつくりになっています。

FOREST LOUNGEの内部。カウンター席とソファ席
木と緑を取り入れた店内。席数は22席(画像:日本空港ビルデング)

注目したいのは、羽田空港では初となる「カフェと一体型」のラウンジである点です。提携クレジットカードを持っていない人でも、テイクアウトでドリンクやスイーツなどのカフェメニューを購入できます。羽田空港限定のお土産も置かれる予定です。
ただし、カフェのみの利用の場合は1杯目から有料になります。ラウンジに入って1杯無料になるのは、あくまで利用料金を払うか、提携カードを持っている場合です。
場所は北側サテライトの26番ゲート付近。手荷物検査を受けたあとのエリアにあるため、保安検査を通ってから向かうことになります。営業時間は北側サテライトを使う便に合わせて設定されます。

かつての「パタパタ」をデジタルで再現 ソラリー式FIS

ラウンジの中には、空港ファンには見逃せない仕掛けがあります。かつて空港で親しまれたフラップ式案内表示器をデジタルで再現した「ソラリー式FIS(フライトインフォメーション)」です。パタパタと板をめくって行き先や時刻を表示するあの装置は、液晶やLEDの表示器に置き換えられて姿を消していきました。それをデジタルで再現し、ラウンジの中で楽しめるようにしたものです。

33年で初の大規模拡張 搭乗口が6つ増えてバス移動が減る

羽田空港第1ターミナル北側サテライト施設の外観と26番ゲート
北側サテライト施設。搭乗口は24〜29番の6スポット(画像:日本空港ビルデング)

北側サテライト施設は、2階部分にコンコース、ゲートラウンジ、そして固定橋(搭乗口)6スポット(24〜29番)を備えています。
ここが利用者にとって実感しやすい変化です。これまで沖止めの飛行機に乗るときはバスでの移動が必要でしたが、搭乗橋が6つ増えることで、バス輸送による移動の負担が軽くなります。飛行機を降りてからバスに乗り換える手間が減るのは、荷物が多いときほどありがたいところでしょう。
施設の規模は建築面積が約11,000平方メートル、延床面積が約21,000平方メートルで、地上3階建てです。国が進める首都圏空港の機能強化と、防災・減災対策に合わせて整備されました。

羽田空港の北側サテライト(画像:日本空港ビルデング)

羽田空港初の木造ハイブリッド構造 使った木材は樹木およそ1万本分

木質素材で仕上げられた固定橋の内部
八の字壁で囲まれた固定橋。内装にはカバザクラやスギ、ナラを使用(画像:日本空港ビルデング)

この施設の最大の特徴は構造にあります。1階を鉄骨造とし、2階以上に木造を取り入れた「鉄骨造・木造ハイブリッド構造」で、これは羽田空港では初の取り組みです。国産のカラマツやスギが構造材に使われています。
使用した木材は約1,800立方メートル、樹木に換算すると約10,000本分。建設時のCO2削減と、木材を適切に使うことによる森林資源の循環にも寄与するとしています。
環境性能では、高い省エネルギー性能を持つ大規模建築物に与えられる国の認証「ZEB Oriented」を取得。一次エネルギー消費量を30%以上削減しています。さらに太陽光発電で年間約53万kWhを発電し、施設内で使う電気の約80%をまかなう計画です。
連絡通路は上下の梁を斜め材でつなぐ構造とし、視線が抜ける開放的な通路に日本各地の森をイメージした香りの演出を取り入れました。固定橋は八の字の壁で囲まれ、出発時には開放感を、到着時には落ち着きを感じられる空間を目指したといいます。

動く歩道10基と、無料で乗れる自動走行モビリティ「iino」

移動をサポートする設備も入ります。北側サテライト施設には計10基(往復)の動く歩道が設置されます。
あわせて、自動走行モビリティ「iino」の新モデルが導入されます。流線形のコンパクトなデザインで、人の流れに合わせてなめらかに走行するというものです。

【自動走行モビリティ「iino」】
運用時間:7:00〜20:00(変動する場合あり)
定員:最大4名
速度:最大7km/h(変動する場合あり)
走行範囲:北側サテライト全域
料金:無料
予約:不要

さらに、搭乗する人が使える自動運転サービス「WHILL」の運用エリアも北側サテライトまで拡大されます。

木で遊べるキッズスペースも 苗木を育てて森に返す試み

循環木材を活用した羽田空港のキッズスペース
森で育った木を使ったキッズスペース。椅子や遊具の一部にはペットボトルキャップの再生素材も(画像:日本空港ビルデング)

子ども連れにうれしいのがキッズスペースです。ここには「木育」の視点が取り入れられ、森で育った木々を使って整備されました。
背景にあるのは、住友林業のサポートのもとで進められる「Airport Forest Circle Project」という取り組みです。空港で育てた苗木を森へ植樹し、成長後に収穫した木材をふたたび空港内の家具や建材として使う——という「木と環境の循環システム」を目指すもので、第1弾として空港内での幼苗の育成が始まります。
また、キッズスペースの椅子や遊具の一部には、ペットボトルのキャップを再利用した素材が使われています。羽田空港では第1・第2ターミナルの一部にキャップ専用の回収箱を設置しており、集めたものが身近な形で還ってくる仕組みです。

「FOREST LOUNGE」「北側サテライト施設」概要

【概要】カードラウンジ「FOREST LOUNGE」
オープン日:2026年9月1日(火)
場所:羽田空港第1ターミナル 北側サテライト 26番ゲート付近(手荷物検査後のエリア)
営業時間:北側サテライトを利用する便に合わせて営業
席数:22席
利用料金:1,320円/660円(4〜12歳)/無料(3歳以下)。提携クレジットカード保有者は無料
サービス:ソフトドリンク(1杯のみ無料、2杯目以降有料)、お酒(有料)、フリーWi-Fi
注意:カフェのみ利用の場合は1杯目から有料

【概要】第1ターミナル北側サテライト施設
供用開始日:2026年9月1日
搭乗口:6スポット(24〜29番)
建築面積:約11,000平方メートル
延床面積:約21,000平方メートル
階数:地上3階
構造:鉄骨造・木造ハイブリッド構造
主要木材:スギ、カラマツ、ナラ、カバザクラ
環境認証:ZEB Oriented
導入設備:自動走行モビリティ「iino」、自動運転サービス「WHILL」

33年目にして初めて大きく広がる羽田空港第1ターミナル。搭乗までの時間の過ごし方が変わりそうです。9月1日以降に第1ターミナルから飛ぶ予定があれば、24〜29番ゲートに当たったときは少し早めに保安検査を抜けて、木の天井のラウンジをのぞいてみてはいかがでしょうか。
(画像:日本空港ビルデング)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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