
「山口デスティネーションキャンペーン(山口DC)」のスタートを控え、秋の旅行先として注目を集める山口県。今回の旅の最大の目玉は、約70年ぶりとなる「令和の大改修」を終え、美しい檜皮葺(ひわだぶき)の姿を取り戻した国宝・瑠璃光寺五重塔です。DC期間中は特別御開帳が行われ、普段は見られない塔の内部や秘仏を間近で鑑賞できるため、歴史ファンや観光客にとってまたとないチャンスとなっています。本記事では、新山口駅からのアクセス方法や瑠璃光寺の見どころに加え、あわせて立ち寄りたい美肌の湯「湯田温泉」での足湯めぐり、絶品スイーツ、白狐探しまで、秋の山口を満喫するルートを詳しく解説します。
【参考】【山口DC】新岩国駅からバス15分の絶景! 唯一無二のアーチ橋「錦帯橋」からロープウェーで岩国城へ。秋の岩国を巡る王道ルートの魅力とは? https://tetsudo-ch.com/13038451.html
瑠璃光寺アクセス

瑠璃光寺は「新山口駅」や「山口駅」からバスが出ているほか、「上山口駅」から徒歩圏内の立地です。
JR新山口駅ルート
山陽新幹線などが乗り入れるJR「新山口駅」からは、北口(在来線口)にあるバス乗り場へ。「県庁前」行きのバスに乗車して約30分、「県庁前」バス停で降りて徒歩約10分でアクセスできます。
山口駅ルート
JR山口線「山口駅」からは、山口市コミュニティバス(香山公園五重塔前行き)で約15分、「香山公園五重塔前」バス停で下車して徒歩すぐです。ちなみに、「山口駅」から直接歩く場合は徒歩約26分となります。
在来線ルート
徒歩での最寄り駅となるのは、JR山口線「上山口駅」。徒歩約18分でアクセスできます。
山口観光の代表格、国宝・瑠璃光寺五重塔へ!

「瑠璃光寺五重塔」は、山口市香山町の香山公園内にあります。園内には様々な史跡が点在しており、 四季折々の自然と調和する空間を散策できます。

室町時代の1442年に建立した最盛期の大内文化を伝える国宝で、京都の醍醐寺や奈良の法隆寺と並び「日本三名塔」に数えられています。

亀の置物が乗った石の向こう側にはハート型の岩があり、恋愛成就の願掛けの場所として知られています……が、ガイドさんの解説によると「落花生」という人が多いのだとか(笑)。

境内には、若山牧水が21歳のとき、東京から宮崎へ帰省する際に五重塔を訪れて詠んだ歌が歌碑として残されています。碑の書は、牧水の妻である喜志子氏の筆によるものです。

塔影の池に隣接する芝生の広場「満月の庭」は、瑠璃光寺五重塔を仰ぎ見ることができるビューポイントです。

「瑠璃光寺五重塔」にもう少し近づいてみましょう。「令和の大改修」を完了したばかりのため、屋根の檜皮(ひわだ)を全面葺き替え、美しい姿を取り戻しています。

取材時は外から眺めることしかできませんでしたが、山口DC期間中の特別御開帳時には「濡れ縁」から塔の内部を間近で鑑賞できます。内部に祀られている秘仏「阿弥陀如来坐像」と「大内義弘銅像」を拝観。日本に現存する仏塔の中で唯一となる円形の須弥壇(しゅみだん)や、塔を支える精巧な斗栱(ときょう)、塔身に触れることなく自立し、床下から相輪まで続く心柱(しんばしら)など、美しく繊細な細部の様子を観賞することができます。

瑠璃光寺本堂へ

さまざまなアングルから五重塔を堪能した後は、本堂にも足を運びましょう。

瑠璃光寺は曹洞宗の寺院で、室町時代の山口を中心とする文化「大内文化」を象徴する場所として知られています。御本尊は「薬師如来」です。

本堂には、天井の滑車につながった大念珠が下がっています。数珠玉をゆっくりと8個手前に落とすことで煩悩を取り除くことができるのだとか。

大念珠とともに目を引いたのが「佛心」と書かれた大きなしゃもじ。「佛心」とは、我が身をすり減らしても人を救うという仏様の心を象徴するものです。

通常の御朱印は中央に「佛心」という墨書きが入りますが、檜皮を台紙にした御朱印には大内菱と五重塔の朱印が入っていました。

瑠璃光寺とセットで訪れたい「湯田温泉」

瑠璃光寺に行くことが決まったとき、どうしても立ち寄りたかった場所がありました。瑠璃光寺の最寄りのバス停「県庁前」から約10分でアクセスできる「湯田温泉」へ、ちょっと寄り道。まずはバス停の目の前にある「狐のあしあと」に入ります。

向かいには、詩人・中原中也の作品や30年の生涯に触れることができる「中原中也記念館」もありました。

湯田温泉は、1日に約2,000トンも湧き出るという豊富な湯量を誇る天然温泉です。アルカリ性単純温泉のやわらかな湯を気軽に体験できるのが、足湯。無色透明・無臭のため誰でも入りやすく、美肌効果があると言われています。

「狐のあしあと」には3つの足湯があり、大人200円、小中学生100円で楽しむことができます。コインロッカーの鍵と足ふき用のおしぼりを受け取って入りましょう。

「窓辺の湯」「四季の湯」「言音の湯」いずれも、カフェで注文したメニューを運んでもらい、足湯とともに楽しむことができます。

山口銘菓の外郎を使ったパフェや山口県内の地酒を少しずつ楽しめる利き酒セットなど魅力あるメニューが揃っていますが、筆者のお目当ては「こぎつねソフト」と白狐が描かれた「湯田温泉ラテ」。足湯に入りながら、見て、食べて堪能しました。

2階にはギャラリーがあり、山口の魅力を展示や映像などで紹介しています。
湯田温泉で白狐探しをしよう!

「狐のあしあと」でもらった周辺マップを片手に、白狐がいるスポットを巡りながら湯田温泉駅へ向かいます。

湯の町商店街には「でぶっちょ招ききつね」の像が点在しています。設置されている店にちなんだ像になっていて面白い!

井上公園には白狐のオブジェとともに足湯もありました! 湯田温泉には無料で利用できる足湯スポットが点在していて、湯田温泉駅前には列車ビューの足湯もあります。運が良ければSLやまぐちを見ることができるかも!? その他、手湯や飲泉場もあります。

湯の町通りとその周辺では、カラーイラストが入ったマンホールの蓋を発見! ついついコンプしたくなります。

「狐のあしあと」(湯田温泉バス停)から徒歩約10分で、JR湯田温泉駅に到着! 駅には高さ8メートルの巨大な白狐のモニュメントが佇んでいます。ゆう太くんという名前があると、この日に初めて知りました。

湯田温泉には6ヶ所のきつねポストがあります。そのうちの1ヶ所が、湯田温泉駅にありました。サイドに手があるところが、心憎いですね。
約70年ぶりに美しく生まれ変わった瑠璃光寺五重塔の姿と、普段は覗くことのできない塔の内部。そして、じんわりと心身をほぐしてくれる湯田温泉の足湯。この秋の山口DCは、歴史のロマンと温泉の癒やしを同時に味わえる、またとない機会です。 特別な体験が待っている秋の山口へ、あなたもぜひ列車に乗って出かけてみませんか?
文・写真:斎藤若菜
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)