JR貨物は、ディーゼルエンジンで発電し、電気モーターで駆動する DD200 形電気式ディーゼル機関車の試作車を製造します。同社イメージイラストの車番は「DD200-901」。6月下旬に製造工場を出場します。

車体は DE10形ディーゼル機関車などと同じく、前後にオフセットしたキャブが付くタイプ。台車などの床下機器は、最近の電車と同じくグレーに、デッキ部をホワイト、ボディをレッドに塗っています。ヘッドライトは、ボディ側ではなく、デッキ部手すり側に付きます。同社はこの車の特徴についてこう伝えています。

「DE10形式相当の走行性能にするとともに、軸重(1軸あたりの重量)を低く押さえ、DE10形式でしか入線できない線区への入線も可能に。また、本線運転・入換作業の双方に配慮し、車体中央部に横向きに運転台を配置したほか、入換時などに誘導を行う操車担当の作業性向上のため、車端にデッキスペースを確保」

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この DD200 の開発背景について同社は「非電化区間の貨物列車けん引と、貨物駅構内の入換作業の双方に使用してるDE10形・DE11形液体式ディーゼル機関車について、老朽化のため置換用の機関車を新たに開発」と伝え、従来機をこの DD200 で置き換えていく予定です。

興味深いのは DE10形ディーゼル機と DD200形電気式ディーゼル機 との諸元表の比較です。エンジンはともに水冷4サイクルV型12気筒1機を載せながら、新型 DD200 は、車輪の数が2つ(1軸)減り、電気モーターが4機搭載されて、DE10形より6.2トン軽く仕上がりました。車体長も2m弱、拡大しているのにもかかわらず、DE10形より軽くなっています。動輪周出力は両機とも600kWですが、最高速度は110km/h(DE10は85km/h)と速くなりました。

「デーテンの後継機、デーデー。そのキューヒャクトップ」が、今月末、姿を現します。


DE10形ディーゼル機関車