もはや「美味い」といった形容詞では収まらない―――。
収まらないのは表現だけじゃなくて、どんぶりに入る具材も。

常磐線 我孫子駅。ホーム上の名物そば店「弥生軒」。
鉄道好きをはじめ、あらゆる年齢層を惹きつけるオーラを放つ、空腹テロ。

唐揚げそば、唐揚げうどん。

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写真は唐揚げ1個版。
写真では伝わらないが、1個はオトナの握りこぶし以上の大きさ。
重さにして170グラム。
衣はまっ黒で、ビジュアルでストレートな醤油味とわかる。

平日の夕方、店を見わたすと、男ばかり。
店内には5〜6人も入ればいっぱいで、店内は上り電車より混雑している。あふれた客は店外のホームで喰らう。

つゆはこれまた、THE関東な黒さ。
50を過ぎた記者は、完全にビビってゲンコツ唐揚げ1個版を注文。
2個版もある。値段は1個版で400円、2個のって540円。
信じがたい数字。

すぐに出てくる一杯をマジマジと見つめ、七味唐辛子を探す。ない。
なぜかホットドッグなどに塗るケチャップが置いてある。と思ってたら、このケチャップボトルが七味唐辛子。
1分ほどカウンターを右往左往して、やっとわかった。

喰らう、喰らう、喰らう。
妥協許さない高濃度ガツン醤油系。
言語野がやられた感。

そこへ、学ランの中学生がひとり。
「単品で」
麺抜きもあると。しかも皿にのって出てくると思いきや、どんぶりにまっ黒つゆに浸かって、だ。

店内にはこんな「お願い」がつづられている。

「以前にも店内に張り紙を致しましたがこのところまた一部のお客様より唐揚げ以外の単品におつゆをかけるようにとの要望をされている方がおられる様です。当店では、唐揚げ以外の単品にはおつゆは提供しておりませんので固くお断りを申しあげます」

Amazing! 我孫子駅名物に圧倒されっぱなしで、電車のなかにつゆの匂いゆらゆら、なんとか完食した自分はクラクラ……。