JR西日本は、昨年12月11日、東海道新幹線名古屋駅で運転を取りやめた「のぞみ34号」(JR西日本所有車両)の台車に亀裂などが発見された重大インシデントについて、再発防止に向けた対策を伝えた。

新幹線の台車の点検

・JR西日本所有の全台車(山陽新幹線2169台、北陸新幹線318台)について、当該部位の目視による緊急点検を昨年12月15日までに完了。同様の異常がないことを確認。
・仕業検査における当該部位の入念な目視点検を継続して実施。
・より精密な検査方法について現在検討中。

異常時の適切な対応

・本件を振り返っての課題は以下の3点。
(1) 車両保守担当社員と指令員の間で車両の状況についての認識のズレがあり、運行停止に関する判断基準も曖昧であった。
(2) 異音などが発生しているにもかかわらず、運転に支障がないと判断し、JR東海に指令間協議を申し出ずに運行を引き継いだ。
(3) 車両保守担当社員と指令員は運行停止に関する判断を相互に依存する状況であった。

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上記の課題克服に向けた対策として、「情報伝達の言葉の工夫」「司令体制の強化」「コミュニケーションツールの充実」「連携の強化」「判断基準の明確化」「ハード対策」「司令官協議による引き継ぎの徹底」「現場判断最優先の徹底」などを実施。

さらに、上記対策に加え、「車両添乗による確認体制の強化」を追加し、車両保守担当者員の即応体制の整備を2月から実施する。

また、「安全であることが確認できない場合は躊躇なく列車を停止させる」ことをあらためて指導。今後あらゆる機会を通じて繰り返し伝えていく。

いっぽう、社外有識者からヒューマンファクターの視点で、JR西日本の検証内容に対する評価・提言から、安全運行に向けてルールや仕組みを見直すため、「新幹線重大インシデントに係る有識者会議」を1月8日に設置する。