前回、こんな醜態をさらした。

「重いし使いこなせないってことで、フルサイズ一眼レフとその周辺機器を6年前にすべて売っぱらった。6000円で買った名刺サイズの中古カメラでずっと過ごしてきたけど、ついにことし1月、“病気”が再発した。キヤノン EOS Kiss F の中古ボディを7000円で買ってしまったら、ドロ沼」

「株価が乱高下しているっていうこの時期に、機会損失、機会損失、機会損失、機会損失ーーーーーーーーーっ。で、で、で、見つけた! 都内のハードオフで EF 28-105 F3.5-4.5 USM。ニッパチヒャクゴ。1型の後期型で絞り羽根7枚。普段使いにいい幅、ちょっと重いけどサイズも小さくて。「ジャンク品」「チリあり」と記されて、2160円!」

ADVERTISEMENT

このニッパチヒャクゴとエフで、毎日がちょっとだけおもろくなった。
で、収集癖はないけど、またまた、「うおーーっ!」とうならせるジャンク中古レンズに、またも遭遇してしまった。

EF 100-300mm F4.5-5.6 USM

1080円!!!

カビもチリもあるだろ、ピントも決まらないだろ。とネガティブ思考のまま7000円ボディEOS Kiss Fにカツッとつけてみると……。
あれ、いけた。決まる。きれい。

記したかったのは、そこじゃない。
おまけでついてきたレンズポーチを洗おうとしたら、奥底に紙が4枚。

恐る恐る、その紙を開けてみると……。
総合保証カードと国際保証書。

購入年月日には2001年と記してある。
最初の持ち主が手にし、16年のときを経て、ジャンクなボディとジャンクな人生をおくるアホの手に、行き着いた。

最初の持ち主は、ビックカメラ渋谷道玄坂で3万9800円で買っていた。
持ち主の住所は、静岡・御殿場。

なんかこう。ジーーーーーーーーーーン。
16年前に4万円で買ったヒャクサンビャクが、16年たって千円でジャンクなヤツの手に……。
ポンコツ中古車を手に入れたときも、そんな想いをした。

いまはなき、「キヤノン販売」の文字。会社所在地も“三田時代”。
そんな国際保証書を見て、もう一度、カツっとFにつけて、300mmが届けてくれる画を見つめる……。

御殿場出身、16歳1000円のヒャクサンビャクと、7000円のエフ。これから先、どんな世界を映してくれるか―――。
 
 
連載:【1万レフ】病気再発、機会損失、抜け出せないドロ沼にまた……