カーブは半径30m【私鉄に乗ろう95】箱根登山鉄道 その11

2019.10.25

小涌谷駅の後方展望。駅の外、右手の柱は駅入口に立っている「小涌谷温泉」の表示された円柱で上にはギリシャ風の彫刻が載っています。かなりボロボロになっていましたが。

下りホーム。駅舎が見えます。車内は混んでいますが、時間が昼過ぎなので乗り降りはほとんどありません。観光客は終点の強羅からケーブルカーに乗り換えて芦ノ湖に向かう人が大半なのでしょう。

上りホームの駅名標。1919年(大正8年)に開業しています。ホームの向こうは崖になっていて下を国道1号線が通っています。ちょうど国道の街灯のアタマが見えています。

列車交換で下りが先に出発しました。下り電車は強羅駅に向かって上っていきます。上り電車は箱根湯本に下ってゆくのですね。子供の頃「ヘンだなぁ」と思ったことを思い出しました。

上り列車から降りてくる人たちは観光客ではない感じですね。地元の方々です。当たり前ですが、観光列車だけではなく生活路線として沿線住民の足にもなっているのです。

小涌谷駅を出てすぐに右に90度カーブします。このカーブは半径30m。時速15kmで車輪を軋ませながらゆっくり進みます。後方展望なので既にカーブを抜けた地点です。

彫刻の森美術館本館の横を通ります。左には野外展示が広がっています。彫刻の森美術館本館には何度も来ています。関西から上京した親戚を案内して来た事もありました。

0.9kmで標高539mの彫刻の森駅。1977年(昭和52年)の強羅駅舎改築によるダイヤ改正で列車交換が行われなくなりました。分岐したレールは錆びています。

構内踏切も閉鎖されています。右側の1番ホームだけが使われます。多客時には箱根湯本行上り電車が2番ホームに停車することもある様です。

この日はウィークデー、彫刻の森美術館に向かう観光客はあまりいませんでした。彫刻の森美術館は、1972年(昭和47年)開館。フジサンケイグループ傘下の美術館。当時フジテレビの番組終了時に彫刻の森美術館の映像が使われていたことを覚えています。天気予報の背景映像(いわゆるフィラー映像)にも使われていました。目玉マークがフジサンケイグループのシンボルになったのはかなり後になってからだと思いますが、筆者は長い間あの目玉マークは彫刻の森にあるピカソの作品から採られたものだと思っていました。実際は日本人デザイナーによるものなのですね。1972年に箱根登山鉄道二ノ平駅は彫刻の森駅に改称されています。その頃はピカソ館はなかったと記憶しています。

さ、次は終点の強羅駅です。【私鉄に乗ろう95】箱根登山鉄道 その12 に続きます。

追記:

このコラムは、2019年9月に書かれたものです。御存知の様に、2019年10月12日に関東から東北に上陸した大型で強力な台風19号は、関東甲信越と東北地方に甚大な災害をもたらしました。台風によって亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。被災された皆様にお見舞い申し上げます。

また台風19号は箱根登山鉄道にも甚大な被害をもたらしました。箱根周辺では、1,000ミリを越える前代未聞の雨量が記録されたのです。ニュース映像などを見る限りでは路盤や橋梁などの被害は凄まじい状態です。長い歴史と風雪に耐えてきた箱根登山鉄道が箱根湯本駅と強羅駅間で運休という事態になっています。現在は代行バスが運行されています。

被害に遭われた箱根登山鉄道にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を心からお祈りいたします。

また復旧などの情報も随時。お知らせいたします。

(写真・記事/住田至朗)


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