大学が開発した自動運転バスが、学生を乗せて最寄り駅と大学を結ぶ―――そんな時代がすぐそこまでやってきた。

ことし春から工学部情報システム学科にAI専攻が新設され、AI時代の人材育成にむけて走り出した埼玉工業大学は、ことし4月に自動運転技術開発センターを設立。

自動運転技術の実用化にむけた研究・開発を加速させる。

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新たに設置された自動運転技術開発センターには、新たに和田正義特任客員教授(東京農工大学)、大山航教授(九州大学)、山﨑隆治教授、服部聖彦准教授など、ロボットやAI(人工知能)関連分野を専門とする研究者も参画。埼玉工業大学 工学部情報システム学科の渡部大志教授がセンター長につき活動を統括する。

国内の公道を走る自動運転バスの実現をめざす

埼玉工業大学の最寄り駅は、JR高崎線 岡部駅。

同大 自動運転技術開発センターではまず、大学とこの岡部駅を結ぶスクールバスの自動運転化をめざす。

渡部大志教授は、「この2019年度内に、学生や大学関係者が乗るスクールバスを自動運転化させたい。自動運転バスはまだ、国内で公道を走れるタイプは少ない。企業と連携し、独自の自動運転バスの開発を推進させる」と語る。

福祉車両開発や技術研究強化も

埼玉工業大学 自動運転技術開発センターではまた、自動運転機能を持つ福祉車両の開発や、先端AI技術を活用した自動運転技術の研究も推進。

「福祉車両の自動運転化も開発をすすめていきたい。たとえば、手先を使うだけで運転できるような福祉車両などもイメージしている」と渡部教授。

「自動車メーカーなどでは、高速道路や専用レーン上での自動運転の実現を急いでいる。われわれ埼玉工業大学では、さまざまな場面でも、どんなシーンでもどこでも走れる自動運転の技術や、高齢ドライバーによる運転課題の解決などに取り組んでいく」(渡部教授)

―――ことし春にAI専攻を新設し、AI時代の人材育成にむけて走り出した埼玉工業大学。ことしの同大 情報システム学科の定員は大幅に増加。また埼玉工業大学をめざす志願者が対前年比38%増加、入学者は28%も増加したという。

<埼玉工業大学オープンキャンパス>
https://www.sit.ac.jp/entrance/experience/opencampus/