国内で保存されている蒸気機関車に、2つのニュースが出てきた。

名古屋では、名古屋市科学館で保存展示されていた国鉄2100形蒸気機関車(ドイツ ハノーファー社製)B6型2412 を復活させ、敷地内に敷いた100メートルほどの線路の上を走らせる計画。

ボイラーを復活させ、現役時代と同じく蒸気で走らせるのに4億8000万円かかる見込みで、蒸気ではなく別のエネルギーで走らせることで、5000万円前後のコストで済むこともわかってきた。

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「B6型蒸気機関車の基本設計はイギリスで行われました。B6には、製造年、製造所によって、2100、2120、2400、2500の4つの形式があります。科学館に展示した2412号は、1904(明治37)年、ドイツのハノーファー社で製造されました。日露戦争の軍事物資を輸送するために輸入されたといわれています」

「その後、1905(明治38)年4月から鉄道作業局の所属となりました。大正時代には中央線、昭和になってからは武豊線、高山線を走りました。そして、1948(昭和23)年1月に高山機関区で廃車となってから、石原産業株式会社四日市工場に払い下げられ、1968(昭和43)年7月まで、工場内の専用線で貨物、社員の通勤輸送のために使われました」(名古屋市科学館)

京都 嵯峨野観光鉄道トロッコ嵯峨駅前の D51 51 は解体へ

いっぽう、嵯峨野観光鉄道トロッコ嵯峨駅前の19世紀ホールに保存展示されているD51形蒸気機関車51号は、老朽化がいちじるしいことから、2020年1月に解体へ。年内のトロッコ運行日だけしかいまの姿は見られないという。

D51 51は、1937(昭和12)年に川崎重工兵庫工場で完成。初期に製造された95台のうちの1台で、ボイラーの上につくトンネル状の連続カバーの形状から「なめくじ」という愛称で親しまれ、吹田、姫路、福知山と、大阪局の各機関区を転々と渡り歩いた機材だった。

―――名古屋の B6型2412 が晩年、石原産業で貨物列車の先頭に立つモノクロフィルム映像↓↓↓も公開されている。

写真 記事:鉄道チャンネル編集部