第5回日田彦山線復旧会議、JR九州がBRT導入の新案提示 3月末までに方向性の合意を目指す

2020.02.12

夜明駅から北へ向かう日田彦山線と東へ向かう久大本線 写真出典:https://tetsudo-ch.com/10155.html

2017(平成29)年7月の九州北部豪雨で被災し一部区間が不通となっているJR日田彦山線を巡り、JR九州と沿線自治体のトップが集い、5回目となる復旧会議が行われました。

日田彦山線はJR九州日豊本線の城野駅から久大本線の夜明駅を結ぶ、九州北部のローカル線です。不通区間は福岡県と大分県にまたがる添田~夜明間のおよそ29.2km。

JR九州は4回目となる前回の会議で「継続的に維持できる、地域の生活の軸となる交通手段をネットワークとして確保する」という考え方から3つの復旧案(鉄道、BRT、バス)を提示しました。

鉄道による復旧には、JR九州の試算によれば沿線自治体による年間1.6億円の財政支援が必要ですが、一部を除き自治体からの賛同が得られていません。一方でBRTに対する期待や早期復旧・ネットワークの遵守を期待する声もあったことから、JR九州は今回「利便性の向上」と「地域振興」という2つの要素を加え、バス車両を運行する新復旧案を提案しました。

新復旧案概要

・添田駅~彦山駅及び筑前岩屋駅~日田駅間に関しては、居住区の一般道を通る運行ルートとすることで「使いやすさ」を重視。彦山駅~筑前岩屋駅間は、鉄道ルートの釈迦岳トンネルを活かしたBRT専用道とすることで「速達性」「定時性」を重視します。

・駅(停留所)は集落の近くに作ってほしい、駅への移動に困っているという意見があったため、停留所は徒歩圏内の身近な場所につくるよう検討します。具体的には現在使用されている路線バスや町バス、スクールバスや福祉バスの停留所付近に設置することを考えています。

・バリアフリー車両の導入も検討します。バス乗車時に車体を傾けたり、下げることで段差を軽減するとともに、JR九州の所有する駅などでは可能な限りのりばのかさ上げを行い、バスの入り口までの高さを軽減します。また走行中のBRTの位置や遅延などの運行情報が提供できるロケーションサービスを導入し、駅待合室にも案内モニターを設置するなど利便性を向上します。

・ダイヤは日田駅までの直通運行(※)とし、添田駅・夜明駅・日田駅での鉄道の接続を強化・BRTを軸に駅(停留所)でのバス、タクシー等の他の交通機関との結節を強化します。

今回提示された復旧案については地域振興策や観光振興、利便性といった観点からブラッシュアップし、次回の復旧会議で議論を行います。復旧の方向性については3月末までに合意を目指すとしています。

また、現在運行している代行バスの利便性も向上させ、3月14日以降は鉄道沿線でなくとも乗降が可能になるよう調整するとのことです。鉄道跡地の活用計画は沿線自治体と相談し、サイクリングロードや遊歩道・公園など用途を決めていきますが、要望がない場合は引き続きJR九州が保有します。

※……日田彦山線自体の終点は夜明駅ですが、被災前は彦山~夜明間を通る列車は久大本線の日田駅を始発・終着としていました。代行バスも同様

鉄道チャンネル編集部


LINEで送る

オススメ記事

こちらの記事もオススメです