JR九州の885系電車 T.Tsuchiya / PIXTA

2020年10月28日のトップニュースはなんといってもこれ。2022年秋開業を目指す九州新幹線(武雄温泉~長崎間)に導入する列車の愛称と使用車両が決定。愛称は「かもめ」とし、JR東海のN700Sを短編成化した6両編成で走ります。内外装を手掛けたのはJR九州といえばおなじみ、水戸岡鋭治さん。

社長定例会見では他にも久大本線の年度内復旧が発表されたり、「アミュプラザくまもと」や「THE BLOSSOM KUMAMOTO」の開業日が決定したり……実は昨日報じた「かわせみ やませみ」と「いさぶろう・しんぺい」を連結した4両編成の臨時列車の運転期間延長のニュースも結構見ていただけているようで、今九州がアツい。

さて。「かもめ」は九州を代表する特急列車の一つではありますが、戦前の「鷗」は東京―神戸間を運行する東海道本線経由の特急でした(客車列車)。戦争とともに一度は消えて、戦後にひらがなの「かもめ」として復活。今度は京都~博多間で運行しています。

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JR九州のリリースに”特急「かもめ」は1961年から、長崎行きの特急列車として運行を開始し”とあるように、「サン・ロク・トオ」ダイヤ改正で当時としては最新のキハ80系82形気動車を使用した「かもめ」が誕生。どうやらこの頃から「かもめ」=「長崎特急」のイメージが徐々に形成されていったようです。

気動車特急「かもめ」は1975年の山陽新幹線博多開業とともに一旦は消滅しますが、その後485系電車の特急「かもめ」として復活。以後も783系、885系などの電車「かもめ」へと継がれていきました。客車列車、気動車、電車ときて再来年には新幹線に与えられる。そういう意味では人によって想像する列車が全然違う、面白い愛称です。さすがにリニア「かもめ」はないでしょうけどね。

※写真を差し替えました。