JR東日本の「羽田空港アクセス線」2029年度開業 羽田鉄道プロジェクトを考える

2021.01.30

消えた!? 「都心直結線」

都心直結線の路線イメージ。新東京―泉岳寺間は山手線の内側を走ります。画像は国交省の交通政策審議会資料から

羽田鉄道アクセスで、最初に浮上したのは「都心直結線」。図でご覧の通り、都営地下鉄浅草線の別線です。泉岳寺から京急に乗り入れて、羽田に向かいます。浅草線区間を別線にしたのは速達化と東京駅乗り入れのためで、「新東京」(もちろん仮称です)はJR東京駅丸の内側に造る地下新駅。東京駅乗り入れは新幹線からの乗り継ぎを便利にするためで、構想が浮上した当時、リニア中央新幹線も東京側の始発駅がはっきりしていませんでした。

都心直結線は羽田のほか京成線乗り入れで成田空港にも直行しますが、東京―成田空港間にはJR東日本の「成田エクスプレス」があるので必要性は限定的かも。羽田、成田の両空港の直結に関しては、ある鉄道関係者に「両空港間を行き来する人はそれほど多くない」とも聞いたことがあります。

新東京駅が丸の内側というのも、新幹線駅が八重洲側という東京駅の構造を考えると、移動に10~20分程度は掛かりそう。「それなら八重洲口を発着する、空港リムジンバスの方が便利」と考える人も多そうです。

都心直結線のデータを挙げれば、延長約11kmで、需要見通しは年間8000万人程度。完成すると、平均27~36分掛かる東京―羽田空港間は18~19分、同じく55分程度必要な東京駅―成田空港間は36分に短縮されます。

今回、JR東日本の羽田空港アクセス線が事業許可を受けたことで、実現可能性はほぼ消滅した都心直結線ですが、追い越しできない地下鉄区間を別線で短絡。新幹線と羽田、成田の両空港をつなぐ鉄道新線の計画があった点は記憶しておいていいでしょう。

都営地下鉄の新鋭5500系電車。都心直結線が実現すれば新東京駅に乗り入れていた……かもです。 写真:tarousite / PIXTA

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