北陸新幹線延伸で変わる福井の地方鉄道 福鉄とえち鉄が相互直通で利用促進 交通まちづくりも進む【取材ノートから No7】

2021.09.05

2年半のブランクを挟んで復活したえち鉄

えち鉄の主力車両のMC6001形電車は愛知県の第三セクター鉄道・愛知環状鉄道から譲受されました(写真:ぬまじろう / PIXTA)

福鉄とえち鉄の相直は、乗り換えを不要にして福井市内の移動を便利にする目的です。もう一つ、地方鉄道の例に漏れず厳しい環境に置かれる両社の経営を刷新するのも、大きな狙いでした。

最初はえち鉄のプロフィール。前身は京福電気鉄道(福井支社)で、社名そのままに京都、福井にそれぞれ路線がありました(京都市内の嵐山本線と北の線は現在も運行中で、古都観光客に親しまれています)。

※2021年9月5日16時11分追記……記事掲載当初、「京都と福井をつなぐ構想」についての言及がございました。そうした構想は存在しなかったことを2021年8月時点で京福広報部に確認済みでしたが、編集の段階で修正が漏れておりました。当該記述は修正済みです。心よりお詫び申し上げます。(鉄道チャンネル編集部)

京福時代の2000年12月と2001年6月、2度の衝突事故を発生させてしまいました。国は事業停止命令を出し、2度目の事故翌日から電車は運転されなくなりました。

ところが、代行バスは遅れが慢性化。沿線に「鉄道を復活させてほしい」の声が起き、県が主体になって第三セクターのえち鉄を設立、2003年に運行を再開しました。えち鉄は福井―永平寺口間の勝山永平寺線(27.8キロ)と福井口―三国港間の三国芦原線(25.2キロ)の2路線を運行します。

えち鉄の新鋭車両は2016年にデビューしたL形電車。福鉄に合わせた路LRV仕様なので、デザインが在来車とは全く異なります。愛称名は「ki-bo」で、「黄色い坊や」や「希望」を表します(写真:ぬまじろう / PIXTA)

いったん廃止された鉄道が、2年5カ月間もの空白期間を挟んで復活するのは非常に珍しい。えち鉄は、パーク&ライド駐車場の整備や企画きっぷで、順調に利用を増やしてきました。

福井市中心部は路面電車、郊外は専用軌道の福鉄

福鉄の新鋭車両は2013年から導入されたF1000形電車。写真で分かるようにLRV仕様で、愛称名は「FUKURAM(フクラム=膨らむなど)」。えち鉄のki-boと同じ連接車ですが、えち鉄は2車体、福鉄は3車体と車体数が異なります(写真:ぬまじろう / PIXTA)

えち鉄同様、福鉄も地域の支援で再生を遂げた鉄道です。路線は福武線(越前武生―田原町20.9キロ、福井城址大名町―福井駅前0.6キロ)で、郊外は専用軌道の鉄道、福井市中心部は道路上を路面電車として直通運転します。鉄軌道直通は広島電鉄などと同じで、LRT(次世代型路面電車)の要件を満たします。

2000年度以降、経営悪化で存廃が議論されましたが、地元は存続を決断。施設を自治体が保有し、鉄道事業者は運行に専念する経営の上下分離で、経営を立て直しました。

次ページ田原町駅にえち鉄と福鉄の連絡線を整備


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