連立、駅広整備、新駅開業……

北陸新幹線福井駅のイメージ。デザインコンセプトは「太古から未来へ~悠久の歴史と自然がみえる駅」です(画像:鉄道・運輸機構)

ここで取材ノートをいったん閉じ、話を現代に移します。今後の福井を大きく変えるのが、2024年春に予定される北陸新幹線の福井・敦賀延伸開業です。新幹線まちづくりについては、2021年7月にオンライン開催された「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会in滋賀」で、福井市都市戦略部の小嶋直人次長が報告しました。

福井駅周辺では2007年度以降、12件のプロジェクトが連続進行しています。鉄軌道に関係するのは、①福井駅付近連続立体交差事業、②福井駅西口広場と福鉄駅前線一体整備、③LRV導入、④電停の改良・再配置、⑤路面電車軌道の改良、⑥えち鉄の新駅「まつもと町屋駅」開業――と6件もあります。

鉄道が分断していた市街地を一体化したのが連立事業で、2005年3月に先行供用開始したJR北陸線に、2018年にはえち鉄が続きました。鉄道高架下の交差道路は2社合計で25路線もあります。

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新しい福井のシンボルが、JR福井駅西側の福井城址に隣接する福井市中央公園。2万平方メートル超のスペースがあり、市民や福井観光客のスポットとして親しまれます。現在はコロナで休止中ですが、音楽フェスティバルも開かれます。

JR、えち鉄、福鉄の福井駅(福鉄は福井駅前)にほど近い福井中央公園(画像は「人と環境にやさしい全国大会in滋賀」の発表から)

えち鉄、福鉄、新しい三セク鉄道で事業連携

福井市の鉄道で進むのが、地方鉄道の事業連携です。連携するのは、えち鉄と福鉄――だけでありません。北陸新幹線延伸で、並行在来線のJR北陸線は地元(福井県)が主体の第三セクター鉄道に移管されることになっており、福井の地方鉄道は三セクを加えた3社になります。

小嶋次長の報告によると。福井市は当面、えち鉄と福鉄で事業連携。資材の共同調達や設備工事の一括発注に加え、振替・代行輸送の相互協力協定を締結しました。実際に2021年冬季の豪雪では、振替輸送が実施されました。