「会社発足後、最大規模のダイヤ改正」(JR東日本)

JR東日本は会社発足後、最大規模でダイヤを改正します。JR東日本の話では、平日ダイヤを基準とした定期列車の列車キロは改正後には3%減になるそうです。

新幹線は、上越新幹線にE7系12編成を追加投入。新しく「とき」上下4本と「たにがわ」上下8本をE7系で運転します。E7使用列車はそれぞれ「とき」で36本、「たにがわ」で19本になります。

上越新幹線には2021年秋の時点でE2系、E4系、E7系の3種類の新幹線車両が走っていたのですが、E7系への統合が一段と進みます。E7系は全席に電源コンセントがあるなどビジネス志向。車種統一は、車両整備などの効率化にも役立ちます。

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東北方面の新幹線では、山形新幹線「つばさ」は全車指定席化。さらに、山形新幹線と秋田新幹線「こまち」の特急料金を見直して、分かりやすくします。短区間でも特急を利用してもらうことで、増収につなげる狙いもあります。

新幹線総体では、一部列車を臨時化します。東北新幹線「はやぶさ」は現行の定期58本から定期45本と臨時13本、上越新幹線「とき」は定期52本から定期48本と臨時4本、北陸新幹線「かがやき」は定期20本から定期16本と臨時4本になります。東北新幹線「なすの」や上越新幹線「たにがわ」には、一部運転を取りやめる列車もあります。

観光需要からビジネス・通勤需要にシフトする在来線特急

JR東日本の首都圏在来線特急のサービス改善一覧(資料:JR東日本)

在来線特急は、朝通勤時間帯の高崎線「スワローあかぎ」と京葉・内房線「さざなみ」を運転、東海道・山手線の「湘南」は新たに大崎駅に停車させ、着席サービスを向上させます。成田空港アクセスの「成田エクスプレス(NEX)」も、千葉停車列車を上下計で現行7本から29本と大幅に増やします。

これらに共通するのは、観光特急のビジネス・通勤需要へのシフト。コロナ禍にあって、「空いた列車に乗りたい」という需要にもこたえます。同じ傾向は、JR他社や私鉄にも共通します。

主要線区で思い切って運転本数を削減するのも、今改正の特徴といえるでしょう。ピーク時の1時間当たりの運転本数は東海道線が19本から17本、山手線外回りが21本から18本など、首都圏主要16線区で運転本数を見直します。

このあたり、一般利用客が減便を意識するかどうか。JR東日本もそうした点は十分に考慮してダイヤを改正するはずですが、社会がどう反応するのか、若干興味深い点です。