どうなる地方ローカル線 国の検討会が初会合 JR2社は沿線自治体との話し合いの場を求める(前編)【コラム】
東京―岡山間に相当する線路が消えた!?
国の検討会に戻ります。国交省の資料から、1987年4月のJR発足時と、34年後の2021年4月の鉄道営業キロを比較します。JRグループ全体の営業キロは1987年が2万8キロ、2021年が2万444キロで、400キロ以上増えています。
1987年に開業していた新幹線は東海道、山陽、東北、上越の各新幹線だけで、北海道、北陸、九州の3新幹線は未開業。その分が増えたわけです。
一方、在来線は新規開業220キロ、廃止694キロで、廃止が開業を大きく上回ります。約700キロというと、新幹線でいえば東京から岡山のちょっと手前まで。それだけの距離に相当する線路が、日本から消えました。
初回の検討会には鉄道事業者代表として、JR東日本、JR西日本、近江鉄道の3社が出席して意見を述べました。前編では、JR2社の考え方を報告します。国交省が、地方鉄道・地方線区の存続や運営をどう考えるのかは、後日掲載予定の後編であらためて紹介したいと思います。