JR四国の一般形気動車としては最も新しい1500型。製造時期により外観や内装等に細かな違いがある(写真:F4UZR / PIXTA)

JR四国の運賃改定申請に関する発表(2022年8月26日)の中に、気になる記述がありました。設備投資実績・計画の項目に、「多度津工場の近代化」「スマートフォンアプリによる新チケットシステムの開発・導入」「8000系電車の大規模リニューアル」と並んで「新型ローカル気動車の開発・導入」と記されていたのです。

同社は現在、キハ40系などの国鉄時代の気動車や、JR四国発足後に製造した1000型、1500型などを保有しています。比較的新しい1500型のような形式はともかく、キハ40系などはJR他社でも淘汰が進められており、JR四国はこうした古い車両を新型ローカル気動車で置き換える計画を立てている、というわけです。

画像はJR四国「運賃改定の申請について(補足説明資料)」内、「主な利用者サービス向上策」から。新型気動車については「ユニバーサルデザイン・バリアフリーを考慮するなど、快適な車内環境の提供や利便性の向上を図る」とされています

ではこの新型気動車、いつ頃登場するのか。

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運賃改定申請の発表資料によれば、中計最終年度にあたる2025年度までの計画額は約9億円です。また、2022年度事業計画に「新型ローカル気動車仕様書作成」という記述があることから、1~2年で急に置き換えが始まるようなスピード感で進んでいるわけではなさそうです。

JR四国に問い合わせたところ、「具体的な投入時期は決まっていませんが、2025年度に最初の車両を導入する予定です」との回答をいただきました。コロナ禍による計画の変更などがなければ、あと3年ほどで新型が姿を現すでしょう。

8000系の大規模リニューアルは2023年度から

画像はJR四国「運賃改定の申請について(補足説明資料)」内、「主な利用者サービス向上策」から。8000系はこれで2回目のリニューアルを迎えることになります

新型ローカル気動車の開発・導入に加えてワクワクするニュースがもう一つ。2023年度から約22億円をかけ、8000系特急電車の大規模リニューアルが行われます。

電子機器などの老朽更新だけではありません。運賃改定申請の発表資料には客室設備改良のイメージが掲載されており、「座席を同社の最新車両と同等のものに更新」「バリアフリーへの対応」「コンセント増設」といった工事が行われ、より快適で便利な電車へと生まれ変わることが分かります。

記事:一橋正浩

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