京急電鉄の2023年度の、鉄道事業の設備投資計画が発表されました。

京浜急行電鉄は 2023 年 10 月1日に約 28 年ぶりに行う運賃改定と併せて,さらなる安全対策やユニバーサルで快適な輸送サービスを推進するため,2023 年度は総額 295 億円の設備投資を実施いたします。

主な設備投資計画の内容

1.さらなる安全対策の強化(約160億円)
・連続立体交差事業の推進
品川駅付近)泉岳寺~新馬場駅間は、八ツ山通りの品川第1踏切道をはじめとする3か所の踏切道が存在し交通渋滞の要因となっているため、高架化し3か所の踏切道を除却いたします。また品川駅の地平化および2面4線化を図るため2023年度も工事を推進し早期事業完了を目指してます。

大師線)川崎市の都市計画事業である大師線連続立体交差事業のうち、東門前駅付近~小島新田駅付近の約980mの区間を2019年3月に地下へ切替えました。これにより、産業道路第1踏切道(東京大師横浜線)を含む4か所が除却されたことで、踏切事故の解消や、道路交通の円滑化が図られました。2023年度は引き続き地上部整備工事や、大師橋駅、小島新田駅の駅舎工事などを施工してまいります。

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・車両の代替新造、車内防犯カメラ設置
より安全で快適な車内環境をご提供するため、1000形8両編成1本、6両編成1本を代替新造します。また、近年の鉄道車内における傷害事件等の発生を受け、地上側でリアルタイムに映像の確認ができる新たな防犯カメラを2026年度末までに全車両に導入します。

・踏切安全対策の強化
踏切障害物検知装置:自動車が通行する踏切道(64か所)において、自動車の立ち往生を自動的に検知する装置を設置しており、従来の方式より検知機能を強化した機器へ更新を進めています。(2023年度は4か所実施予定)

制動(ブレーキ)操作支援システムの導入:発光信号機が動作した際に、いち早く列車を停止または減速させるため、自動的にブレーキを動作させる「制動操作支援システム」の導入を進めています。2022年3月から大師線の踏切に導入しており、本年度も引き続き、自動車や歩行者の交通量が多いボトルネック踏切道などで整備を進め、合計13か所に導入いたします。

・激甚化する自然災害への対策
耐震補強工事:石積擁壁(神奈川駅付近)、架道橋橋脚(日ノ出町駅付近・南太田駅付近)ほか
法面防護工事:上大岡~屏風浦駅間、六浦~神武寺駅間ほか

2.ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供(約79億円)
・ホームドア設置工事の推進
お客さまのホームからの転落や列車との接触を防止するため、ホームドア・ホーム固定柵設置工事を進めており、昨年度までに12駅にホームドアを設置、2023年度と2024年度は計9駅の設置工事を進めます(23/24年度設置予定:青物横丁駅、梅屋敷駅、六郷土手駅、八丁畷駅、生麦駅、弘明寺駅、杉田駅、金沢文庫駅、金沢八景駅)

・駅改良工事(大規模改修、ホーム上家延伸等)
神奈川新町駅は大規模改良工事に着手し、エレベーターやエスカレーターの新設と併せて道路との接続歩道橋なども整備し、駅周辺と一体的な移動円滑化を図ります。その他の駅も、雨天時の混雑緩和のためのホーム上家延伸、トイレのリニューアルなどを実施します。

神奈川新町駅改良後のイメージ

・車両更新工事(フリースペースの設置・窓の開閉化等)
車体更新に併せ、ベビーカーのご利用や大きなトランクをお持ちのお客さまが快適にご乗車いただけるようフリースペースを設置するほか、非常通報装置の増設、固定窓の一部開閉化などを行います。