※2017年1月撮影

トップ画像は、塩狩駅。除雪用ディーゼル機関車DE15形が停まっていました。

宗谷本線では、2021年(令和3年)3月にJR北海道が沿線自治体と協議の上、以下の10駅を廃ししました。

南比布駅、北比布駅、東六線駅、北剣淵駅、下士別駅、北星駅、南美深駅、安牛駅、上幌延駅、徳満駅。

さらに2021年の廃止に地元住民が反対、美深町が維持費を負担していた恩根内駅、初野駅も2024年(令和6年)3月に廃止されました。

ちなみに、JR北海道が実施した乗降人員調査(2015~2019)の1日平均で、1名以下だった駅のうち、北比布、北剣淵、北星、南美深、恩根内、豊清水(信号場に降格)、歌内、安牛、上幌延の9駅が廃止されました。

3名以下の駅で廃止は、南比布、東六線、下士別、紋穂内、徳満の5駅。

初野駅も、2020年以降平均3名以下になって廃止。

むしろ宗谷本線64駅で利用者が1日10名を超たのは、旭川と周辺の市街地圏5駅を除けば、和寒、剣淵、士別、風連、名寄、美深、音威子府、天塩中川、幌延、豊富、南稚内、稚内のわずか12駅という惨憺たる状況。JR北海道が宗谷本線自体を維持するのがいかに困難かよく分かります。

以下、何回かに分けて、廃止された12駅の姿を遺しておきたいと思います。

安牛駅は、2014年3月、筆者が初めて青春18きっぷで北海道を巡った鉄道旅【鉄の余談】10で取り上げたので今回は含まれません。

残りの11駅は、幸い2015年3月と2017年1月に宗谷本線に乗車した時の写真があります。ほとんどの駅は、2025年現在、既にホーム・駅舎が残っていない様なので筆者的にも想い出の写真です。

旭川から近い順に行きます。

南比布駅(旭川駅から14.7km)。車両1両分の板張りホーム。頭上に国道40号線の跨線橋ガードがあります。奥が稚内方面。

※2017年1月撮影

1955年(昭和30年)仮乗降場として設置されました。1959年(昭和34年)駅に昇格。開業時から廃止まで無人駅。2021年3月利用者減少にともに廃止。残念ながら駅名標は撮影できませんでした。

北比布駅(同20.2km)。奥が旭川方面。

※2015年3月撮影

駅名標。ちゃんと撮れていませんが。

※2015年3月撮影

北比布駅は、南比布駅と同じ1955年(昭和30年)仮乗降場として設置され1959年(昭和34年)駅に昇格しています。この駅も開業~廃止まで無人駅。2021年3月利用者減少にともに廃止されました。

北比布駅待合小屋。ほぼ同じモノが南比布駅にもありました。

※2015年3月撮影

東六線駅(同41.4km)。奥が旭川方面。線路の両側に防風雪林が続いています。

※2015年3月撮影

下りも撮影していました。こちらは奥が稚内方面。手前にホームに上がるスロープがあります。地図で見ると駅周辺に人家は全くありません。広大な農地が広がっていました。秘境駅という感じ。

※2015年3月撮影

駅名標。

※2015年3月撮影

1956年(昭和31年)仮乗降場として開業。1959年(昭和34年)駅に昇格しています。2021年3月利用者減少にともに廃止されました。開業から廃止まで無人駅。

北剣淵駅(同50.2km)。奥の稚内側にホームのスロープがあります。この駅も車両1両分の板張りホームです。

※2015年3月撮影

駅名標。

※2015年3月撮影

1959年(昭和34年)仮乗降場として設置され、何と28年後の1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR北海道に継承された時点で駅に昇格しました。開業以来廃止まで無人駅。2021年利用者がいないため廃止。

下士別駅(同58.3km)。奥は旭川方面。ホームは木製ではなくプレキャストコンクリート板が並べられていました。車両2両分の長さがあります。ホームから降りるスロープは右側。

※2015年3月撮影

駅名標を撮り損ねましたが、待合室を撮影しました。手前は自転車置き場。周辺には住宅があります。

※2015年3月撮影

下士別駅は、1955年(昭和30年)仮乗降場として設置され1959年(昭和34年)駅に昇格しました。開業以来の無人駅。2021年利用者減少のため廃止。

北星駅(同89.3km)。奥が下り方面。スロープは稚内側にあります。

※2015年3月撮影

駅舎が左奥に見えます。

※2015年3月撮影

北星駅は、1956年(昭和31年)仮乗降場として開業。1959年(昭和34年)駅に昇格しました。2021年(令和3年)利用者減少で廃止。開業から廃止まで無人駅でした。日進駅との間に智東駅がありましたが2006年(平成18年)に廃止されたため、駅名標に「にっしん」が上書きされています。

この見慣れた駅舎も既に解体されて存在しません。

※2015年3月撮影

開業以来駅舎にあった「毛織の北紡」のホーロー看板は、名寄市の北国博物館に寄贈されました。

南美深駅以北は、次回です。

(文・写真) 住田至朗

※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。

※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)他を参照しています。

※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。