コラム【鉄の余談】41 廃止された留萌本線に乗りました①
※2014年7月
トップ画像は、2014年(平成26年)7月の留萌駅。
タイトル「廃止された留萌本線」は厳密には、石狩沼田駅~増毛駅間のコトです。2026年(令和8年)3月まで深川駅~石狩沼田駅間は、14.4kmの短い留萌本線として営業しています。
留萌本線は、天塩エリア随一の良港だった留萌港から石炭、木材、海産物を輸送するために1910年(明治43年)深川駅から留萠駅(1987年~留萌駅)間が開業。1921年(大正10年)留萠駅~増毛駅が延伸開業。
2014年7月の留萌港。
※2014年7月
また留萠駅からは、1927年(昭和2年)から1958年(昭和33年)までかかって宗谷本線幌延駅までの羽幌線が開業。羽幌付近の炭鉱から石炭とニシンを運ぶための路線でした。炭鉱閉山とニシン不漁で人口は激減。羽幌線は、1987年(昭和62年)3月、国鉄分割民営化直前に廃止されました。全線単線、非電化とは言え、141.1kmもの路線、34の駅が一夜にして消えました。
留萌本線も、2016年(平成28年)12月留萌~増毛間(16.7km)が廃止。2023年(令和5年)留萌~石狩沼田間(35.7km)廃止。残る深川~石狩沼田間(14.4km)も、2026年(令和8年)3月末に廃止されます。名実ともに本線だった留萌本線が、消滅します。
2014年7月、筆者は、函館本線滝川駅近くに宿泊していました。耐震工事前の懐かしい駅舎。
※2014年7月
朝食に駅そばを食べたかったのですが営業時間前。深川駅に行きました。
※2014年7月
深川駅の駅そばに行ったら、閉まっていました。隣の店のシャッターが開いたのでお姉さんに訊いたら「少し前に閉店したみたいです」。ひょえ~、朝飯抜き?
※2014年7月
感じの良いお姉さんが「100年以上人気のあるウロコダンゴ美味しいですよ。」とニッコリ。筆者は、このニッコリに弱い・・・。
深川名物ウロコダンゴを購入。100年以上歴史があるので「マズイモノだったら100年食べ続けないだろ?」と判断。値段は失念しました。
※2014年7月 オリジナルが縦なので加工しました
中身は、小麦粉、米粉、砂糖を練り合わせた和菓子。筆者は、ういろうは好物ですが、微妙に違いました。しかし、いくら美味しくても、ういろうをメシ代わりには食べられません。
※2014年7月
偶々同じ車両に留萌に海水浴に行くという女子校生のグループがいたので進呈。彼女たちは、あっと言う間に食べちゃった。(笑)しかし筆者は、空腹。
時間は少し戻ります。深川駅の駅名標。函館本線の駅と「きたいちやん」が留萌本線の駅。
※2014年7月
深川8:05発の留萌行に乗りました。JR北海道専用のキハ54 502。
※2014年7月
2016年9月は、キハ54 529でした。同じホームです。
※2016年9月
3.8kmで北一已駅。かなり難読駅名です。
※2014年7月
1955年(昭和30年)開業。
駅舎。全面的に板で覆われています。右の見えない部分に出入口があって待合室がありました。
※2014年7月
開業時以来の駅舎らしいのですが詳細不明。
5.0kmで秩父別(ちっぷべつ)駅。奥が留萌方面の前面展望。2016年の撮影。
※2016年9月
駅舎。2014年の写真、2016年に綺麗になっていた駅舎側面がまだ改修される前でした。
※2014年7月
駅名標。
※2014年7月
駅は、1910年(明治43年)開業。明治時代からある駅です!
上り列車の“前面展望。奥が深川方面。2016年なので駅舎側面は改修されて綺麗です。
※2016年9月
2.4kmで北秩父別駅。車両1両分のシンプルな木製ホーム。
ホームの待合室は、老朽化で2022年(令和4年)撤去されました。
※2014年7月
新たにプレハブの待合室がホーム出入口手前に新設されていますが、2016年以降なので写真はありません。
待合室に付けられていた手描き駅名標。ほとんど判読できません。
※2014年7月
駅は1956年(昭和31年)仮乗降場として開業。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR北海道に継承され、同時に駅に昇格。
後方展望。奥が深川方面。
※2014年7月
3.2kmで石狩沼田駅。右に使われなくなったホームが残っています。
※2014年7月
使われていないホームの駅名標。
※2014年7月
駅は、1910年(明治43年)開業。1931年(昭和6年)中徳富駅(初代・その後新十津川駅)まで札沼北線開業。太平洋戦争の激化で不要不急路線として順次休止して石狩当別~石狩沼田間が休止。戦後順次営業再開、全線の営業再開は1956年(昭和31年)。1972年(昭和47年)当駅~新十津川駅間が廃止。2023年(令和5年)当駅~留萌駅間が廃止。
ホームと駅舎。正規の駅名標があります。
※2014年7月
石狩沼田駅の後方展望。奥が深川方面。
※2016年9月
石狩沼田駅から留萌駅間は、2023年に廃止されたました。ここから先の駅は、全て既に廃駅です。
(文・写真) 住田至朗
※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。
※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)『北海道 駅名の起源』(日本国有鉄道北海道総局/1973年)他を参照しています。
※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。