都会に“雨”が降る? 高輪ゲートウェイシティの新エリア「MIMURE」3/28開業 ASAKO IWAYANAGI新業態や究極の牛丼など全22店舗をレポ

2026年3月28日、JR東日本による巨大プロジェクト「高輪ゲートウェイシティ」が待望のグランドオープンを迎えました。その核となる「ニュウマン高輪」の2階・3階に誕生したのが、コンセプトエリア「MIMURE(ミムレ)」。約8,000平方メートルの吹き抜け空間は、毎時0分に降り注ぐ「雨の演出」をはじめ、単なる商業施設の枠を超えた世界が広がっています。
職人が目の前で仕上げる「至高の牛丼」、等々力の名店「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」の新業態など、厳選された22店舗が集結。本記事では、五感で楽しむ仕掛けや限定メニューまで徹底レポート。100年先の街づくりを象徴する「MIMURE」の全貌を紐解きます。
日本の自然美と素材の力が共鳴する「一体空間」
「MIMURE」があるのはTHE LINKPILLAR 2の2~3階。吹き抜けが心地よい空間です
ニュウマン高輪に誕生したコンセプトエリア「MIMURE」は「少なく、より豊かに」というデザインコードに基づき、約8,000平方メートルの圧巻の二層空間が広がっています。全体設計を手掛けたSMALLCLONEの佐々木一也氏が意図したのは、一般常識を再定義する「本質的な価値」の追求です。

メインエントランスには、かつて流通価値が低いとされていた未利用の石材を職人の手で昇華させた象徴的な施設サインが鎮座し、訪れる人々を圧倒します。さらに、空間演出ユニットTSUBAKIが手掛ける「植物のしつらえ」が空間に生命を吹き込みます。

2階フロア中央吹き抜けに設けられた「翠岩(すいがん)の丘」は、真鶴半島から運ばれた直径5メートルの巨大な岩が据えられ、その上には日本の山々を彷彿とさせる植物が息づいています。天井から優しく降り注ぐ「雨の演出」が見事です。

直径2メートルの屋久杉、小川のような水流が植物のしつらえがベンチと融合した家具など、都心の真ん中にいながらにして自然の循環を五感で感じられる、まさに「コミュニティビレッジ」の名にふさわしい空間構成です。
小川珈琲が仕掛ける12の「ラボラトリー」

MIMUREの核となるのが、2階の「OGAWA COFFEE LABORATORY 高輪」。約4,000平方メートルの広大な空間に、ファクトリー機能を備えた12のラボを展開しています。「PAN:013」ではMIMURE内で作った自家製酵母と石臼製粉機で製粉した小麦を用いたパンの香りが漂い「TAP:020」ではその場で醸造されるクラフトビールを楽しめます。さらに、-196度の液体窒素で作るジェラート「GLT:196」や、Bean to Barのショコラトリー「CCL:047」など、素材が形を変えていく過程を目の当たりにできる構成です。
そのほかにも、無煙ロースターで焙煎した豆で淹れるコーヒーや、550度の高温で焼き上げるピッツェリア、365日食べたいデリ、チャコールオーブンによる炭火焼き料理、国内外のワインなどを揃えたワインバー、毎週ご褒美にしたいパティスリー、ラボ内で使われている食材を扱うグロサリーマーケット、「毎日の読書」がコンセプトとのライブラリーも備えています。
循環型ファーム「AGRIKO×MIMURE BOTANICAL Lab」

MIMUREが掲げる「地球価値づくり」を象徴するのが、循環型ファーム「AGRIKO×MIMURE BOTANICAL Lab」です。全長約6メートルの水槽と、エディブルフラワーやハーブなどを栽培する30本のタワーを備えたアクアポニックスシステムを導入し、魚と植物が共生する生命の循環を可視化。収穫イベントなどを通じて、都市部での食のあり方を問いかけています。

「純度100%の暗闇」がもたらす新体験

また、視覚障がい者の案内で完全な暗闇を体験する「Dialog in The Dark 5-1=∞ Lab.」も見逃せません。ここでは小川珈琲とのコラボにより、暗闇の中でコーヒーを味わうという「究極の対話」を体験できます。情報の9割を視覚に頼る現代において、他の感覚を研ぎ澄ます時間は、訪れる人に深い気づきを与えるはずです。
※事前予約制で、体験中はスマートフォン・腕時計・録音機器・光や音が出る機器はロッカーに預ける必要がありますのでご注意ください。
職人の技が光る!「至高の牛丼」から限定スイーツまで
3階のコンセプトエリアには、食に関する7つの店舗が出店しています。
「牛丼 㐂㐂屋(ききや)」

全周50メートルにも及ぶ大理石のカウンターが圧巻。こちらで味わうのは、厳選されたA5ランク和牛の牛丼です。職人が目の前で仕上げた「至高」の一杯をいただきましょう。

「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」

等々力の名店が手掛ける「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」では、旬の果実を主役にしたケーキや焼菓子をはじめとする、アートピースのようなスイーツが楽しめます。

「吉田牧場カマンベールチーズケーキ」をはじめ、希少な食材を使ったケーキも用意。その場で焼き上げるクレープや自家製ワッフルコーンといった、ここでしか食べられないテイクアウトメニューも充実しています。
「MAISON AS」

「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」による新業態のデセールレストラン。Artisan Spirit(職人の精神)が宿るデザートや料理の枠にとらわれないデセールが提供されます。オープンは4月以降を予定しています。
「sakejump takanawa」

全国90以上の蔵元から厳選した日本酒やクラフトサケ(日本酒の製造技術をベースに副材料を用いるなどさまざまな試みを取り入れた、新しいジャンルのお酒)を提供する専門店です。

バーカウンターを併設しており、日本酒のペアリングメニューのほか「おむすび定食」や小鉢、カクテルやお茶などを提供。お酒が飲めない人や家族連れでも利用しやすくなっています。

日本酒樽発酵煎茶とごま塩おむすびを試食。お茶は吉野杉を使った日本酒樽でじっくりと熟成させた深蒸し煎茶で香りも旨味もしっかりしつつ、おむすびの邪魔をしない味。おむすびは田野屋塩二郎謹製・燻製ごま塩が決め手で、あちこちから「美味しい!!!」の声が聞こえてきました。
「ロイヤルブルーティー高輪ブティック」

JAL国際線ファーストクラスやG7、G20など各国首脳会議でも提供されたことで知られる 高級ボトルドティーブランド「ROYAL BLUE TEA」も出店しています。手摘み茶葉のみを使用。繊細な味わいの「本物のお茶」を販売しています。

高輪ブティック限定「京都宇治碾茶 The Uji」とJALファーストクラスで提供されている「Queen of Blue Deluxe」を試飲。「京都宇治碾茶 The Uji」は旨味も香りもしっかりと感じられて、ひたすらにおいしい。いい茶葉で丁寧に淹れたお茶の味そのものでした。「Queen of Blue Deluxe」は台湾を代表する最高級青茶(半発酵茶)「東方美人」を使用したウーロン茶で香りのよく、少し紅茶に近い味わいでした。
「鮨 上ル」

創業100年を超える江戸前鮨の「築地玉寿司」。同社が培ったネットワークにより、全国の漁港や仲買人から希少な食材を仕入れ、さまざまな味わいで提供します。カウンターやテーブル席のほか、専属の板前が寿司を提供する個室も完備しています。

試食では、穴子を塩とタレで、マグロをゆず味噌漬けとたれ漬けで、あおさの味噌汁とともにいただきました。穴子は主に長崎県対馬産、マグロはアイルランド沖で水揚げされた天然物で、水温の低い荒海で鍛えられることで身が引き締まり、上質な脂がのるそう。
メニューにはコースのほか、穴子づくしや天然鮪づくしといったメニューもあり、さまざまな味わいを楽しめます。
「鎌倉 松原庵 高輪」

湘南エリアの古民家蕎麦店としておなじみの店が東京に進出。店内で職人が打つ蕎麦はもちろん、鎌倉や三浦で育った野菜料理や鎌倉豆腐を使った豆腐料理、湘南の海で水揚げされる魚介を使った一品料理と、神奈川の地酒を中心とするお酒を堪能できます。

「L’ECAILLER 8th SEA OYSTER」

富山湾から汲み上げた清浄な海洋深層水により、48時間以上かけ流しで浄化した「海洋深層水オイスター」の店。全国の限られた生産者が育てた希少価値の高いプレミアムオイスターも期間限定で提供します。

牡蠣を中心として、フレンチやイタリアンの手法を取り入れた多彩なシーフードメニューと、牡蠣に合うワインやシャンパーニュとのマリアージュを楽しめます。

生牡蠣を4個~テイクアウトできることもポイント。軍手や牡蠣剥きナイフがセットになっているため、持ち帰ってすぐに食べることができます。
高輪ゲートウェイシティが目指す「100年先へ続く豊かな暮らし」。その第一歩として誕生した「MIMURE」は、単に消費する場所ではなく、素材の循環や職人の熱量に触れ、自分自身の感覚をアップデートできる場所でした。
山手線の新駅からすぐ、都会の真ん中に現れたこの場所で、あなたならどんな物語を見つけますか? 新しい街の息吹を、ぜひその五感で確かめてみてください。
文・写真:斎藤若菜
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)
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