東武鉄道と墨田区は、東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」の新駅舎(新東口改札)および新下りホームを、2025年12月7日(日)の初列車より使用開始すると発表しました。これは、連続立体交差事業(高架化)の一環として行われるもので、駅自体が東側・曳舟方面へ大きく移設されます。これに伴い、現在使用されている下りホームは、前日の終列車をもって、95年という歴史に幕を閉じます。新駅舎のユニークなデザインや、歴史ある旧ホームについてを紹介します。

【参考】留置線2線が新ホーム途中まで並列!東武線とうきょうスカイツリー駅 高架後がみえてきた(※2022年2月掲載)
https://tetsudo-ch.com/12160151.html

駅が動いた?東へ「大移動」した新駅舎

東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」の新駅舎・新下りホームの改修工事は、「東武伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)連続立体交差事業」の一環として行われているものです。付近にある「伊勢崎線第2号踏切」の渋滞解消を目的に行われ、駅や線路を高架化することで、地域の課題解決を図る計画になっています。

高架化事業の概要(墨田区・東武鉄道)

「駅の改修」と聞くと、その場で改装するイメージを持つ方が多いかもしれませんが、今回のとうきょうスカイツリー駅では、駅のホームと駅舎自体が、利便性向上等のために約150mほど東側(曳舟方面)へ移設されます。

とうきょうスカイツリー駅の新下りホームと新駅舎のイメージ

悲願の「開かずの踏切」解消へ

この付近の高架化工事(連続立体交差事業)に関しては、上下線の高架化が2025年3月1日に行われ、併せて、桜橋通りにある伊勢崎線第2号踏切も除却されました。現在は、不要になった線路施設撤去や留置線の高架橋構築などが進められています。

伊勢崎線第2号踏切の除却前と除去後の様子(写真:墨田区)

この一連の事業により、以前から問題となっていた交通渋が緩和されるとともに、新駅舎が東へ移動となることで、観光・ショッピングへのための東京スカイツリータウンへのアクセス動線も変化しそうです。

さらば貴重な昭和の遺産…95歳ホームが引退

東京スカイツリー駅は、1902(明治35)年4月に、伊勢崎線の都心側の終着駅である吾妻橋(あづまばし)駅として開業した駅です。その後、浅草駅や業平橋(なりひらばし)駅への改称を経て、2012年東京スカイツリータウン開業直前の3月17日ダイヤ改正時より、現駅名に改称されました。

とうきょうスカイツリー駅の昔の姿 (画像:墨田区のWebサイトより)

今回、役目を終える現在の「下りホーム」は、なんと1931(昭和6)年から約95年間も使用されてきたホームだといいます。昭和、平成、令和と3つの時代を駆け抜け、東京スカイツリーの誕生も見守ってきました。
墨田区の発表によると、現下りホームと現駅舎については、2025年12月6日の終列車をもって「使用中止」となり、その役割を静かに終えることになります。近くに行く予定のある方は、今のうちに、懐かしい雰囲気のホームを目に焼き付けておいたほうが良いかもしれません。

屋根が「枝」ってどういうこと?新デザインが攻めすぎ

新しく爆誕する駅舎のデザインも注目ポイントです。単なる駅ではなく、スカイツリーと一体化した「映えスポット」になりそうな予感がします。

ホーム(イメージ)

スカイツリーの「麓」を支える枝木

ホームのデザインで特にユニークなのが屋根です。ホームの上家を支える鉄骨は、天に伸びる「東京スカイツリーの麓を支える枝木」のようなデザインになっています。また、ホームの階段・エレベーター・エスカレーター部分の屋根には、透過性のある素材(ポリカーボネート)を採用。外の光を取り込み、明るく開放的なホーム空間を演出するとのことです。

伝統的な「下見張り」で視線誘導

外観デザイン(特に北側)には、伝統的な木造家屋に見られる「下見張り」の手法が取り入れられています。面白いのは、パネルのサイズです。上に行くほどサイズを小さくすることで、見る人の視線を自然と上空の「東京スカイツリー」へ導くような仕掛けが施されているそうです。さらに、ガラスの外壁をリズミカルに配置することで、建物の南北のつながりや一体感を意識したデザインになっています。

【参考】東武伊勢崎線「とうきょうスカイツリー駅」付近の上り線高架区間は11月27日使用開始(※2022年10月掲載)
https://tetsudo-ch.com/12750176.html

「とうきょうスカイツリー駅 新駅舎・新下りホーム」概要

東武鉄道と墨田区の発表に基づく新駅舎および新下りホームの概要は以下の通りです。

・使用開始日:2025年12月7日(日)初列車から
・対象施設:新東口改札、新下りホーム(2番線)
・廃止施設:現東口改札、現下りホーム(2025年12月6日終列車をもって使用中止)

新駅舎の特徴

・新東口・西口のどちらからでも上下ホーム(1番線・2番線)を利用可能
・外観は伝統的な「下見張り」を意識し、視線をスカイツリーへ導くデザイン
・ホーム屋根の鉄骨はスカイツリーの「枝木」をイメージ

このほか、ホームドアの設置時期は別途検討予定とのこと。

いよいよ完成形が見えてきたとうきょうスカイツリー駅。昭和初期からこの地を見守ってきたレトロなホームとの別れは寂しいですが、スカイツリーの麓にふさわしい、近未来的で開放的な新駅舎の誕生は新たな街のシンボルとなりそうです。駅の『大移動』という歴史的な転換点を、ぜひ現地で感じてみてください。
(画像:東武鉄道・墨田区)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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