2026年3月28日、品川エリアの勢力図を塗り替える巨大プロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY」がついにグランドオープンを迎えました。その文化の中核を担うのが、JR東日本文化創造財団が運営する新ミュージアム「MoN Takanawa(モン タカナワ): The Museum of Narratives」です。単なる美術館・博物館の枠を超え、100年先へ文化をつなぐ「実験場」として誕生したこの施設。注目の開館記念特別展「ぐるぐる展―進化しつづける人類の物語」では、宇宙の螺旋から山手線の環状運転、日常の家事まで、あらゆる「循環」を五感で体験できます。豪華声優陣による音声ガイドや精密ジオラマなど、ここでしか味わえない物語の魅力をレポートします。

【参考】高輪ゲートウェイシティ文化拠点「MoN Takanawa」レポ【3/28開業】 隈研吾建築の外装デザインや鉄道ビューの絶景、限定グルメまで紹介 https://tetsudo-ch.com/13025679.html

6つのゾーンで体感する「ぐるぐる」

巻き寿司やソフトクリーム、バウムクーヘン、回転寿司のレーンもぐるぐるのひとつ。ぐるぐるのグルメって意外とありますね

会場は全6つの異なるゾーンで構成され、約100点のアイテムと50種類以上の「ぐるぐる」が集結しています。20名を超えるアーティストやクリエイターの作品が並び、五感を刺激する体験型展示が目白押しです。

豪華声優陣による音声ガイド「UZU」と「メグル」

本展は音声ガイドを聴きながら巡るスタイルが基本となっており、案内役には豪華声優陣が起用されました。日本語版では、UZU役を坂本真綾さん、メグル役を岡野友佑さんが担当。二人のナビゲーションにより、アートや社会、伝統文化が混ざり合う没入感のある体験が可能です。

Zone2 Art:ぐるぐるは美しい

自連車:人の力が生む無限の車輪

東弘一郎「自連車」

暗闇を進むZone 2で最初に目に入るのが、東弘一郎氏による「自連車」。暗闇のなか、8つの車輪がぐるぐると回り続ける様子はインパクトがありました。

モルフォタワー:磁性流体が描き出す動的な渦

児玉幸子「モルフォタワー/二つの立てる渦」

児玉幸子氏の代表作である「モルフォタワー/二つの立てる渦」は、磁性流体を用いたアートです。2つの渦が重力と磁力によって変幻自在に形を変える様子は、まるで生きているよう。不思議な光景です。

時間層IV:デジタルとアナログの境界を巡る

岩井俊雄「時間層IV」

メディアアートの先駆者・岩井俊雄氏による「時間層IV」は、デジタル技術とアナログ的な感覚を融合させた作品です。回転する動きの中で捉えられる映像の残像が、私たちが認識する「時間」という目に見えない循環を再定義してくれます。

Heading:光が浮かび上がらせる人の歩み

後藤映則「Heading」

後藤映則氏による作品「Heading」は、世界各地の横断歩道を渡る人々の姿をモチーフにしています。動きと時間の記憶を光によって視覚化し、止まることのない人類の移動と時間の循環を幻想的に描き出しています。ただ歩いているだけのはずなのに、ついつい見入ってしまいました。

Zone3 City:ぐるぐる動くまちと暮らし

鉄道ファン必見! テラダモケイが描く「山手線」

鉄道好きも、ミニチュア好きも、建築好きも惹かれるに違いない展示。すべてに当てはまる筆者にはドンピシャでした!

「1/100建築模型用添景セット」シリーズで知られるテラダモケイが、山手線沿線をデザインした展示を披露します。紙でできた精巧な電車が動く仕掛けは、装置設計のプロ集団TASKOとGakki Lab.が手掛けており、街と鉄道がぐるぐると動き続ける様子を俯瞰して楽しめます。

各駅の様子を見るのが楽しくて思わず長居してしまった展示。左上から時計回りに、東京総合車両センターの大崎駅、SL広場がある新橋駅、動物園の上野駅(まだパンダがいる!)、明治神宮の原宿駅、盆踊り大会とタコ公園の恵比寿駅(渋い!)、そして新宿駅が物騒……何があったの?

ぐるぐる家事図鑑:日常の繰り返しの価値を可視化

日頃家事をしている人なら共感すること間違いなし! そしてここで、ちょっと現実に引き戻されました(笑)

料理、洗濯、掃除。毎日繰り返される「家事のぐるぐる」を数字で表現したのが「ぐるぐる家事図鑑」です。会場に設置された巨大電卓で、1週間の家事回数を計算する体験型展示を通じ、見過ごされがちな日常の循環の重みを知ることができます。

Zone5 Human:ぐるぐるがわたしをつくる

大きなUZU:五感で感じる「私の中のぐるぐる」

UZUキャラクターデザイン:nanao

Zone 5では、私たちの身体に宿る「ぐるぐる」に焦点を当てます。指紋やつむじといった身体的特徴から、習慣的な行動まで。キャラクター「UZU」の巨大な姿とともに、自分自身もまた循環する世界の一部であることを実感できます。

Zone 6 Think:ぐるぐる考える

ぐるぐるインスピレーション:香りと音に包まれる空間

再び真っ暗なエリアに突入してとまどいましたが、瞑想するような感覚で過ごせばいいのだと思い直し、しばしこの場に身を置き、光と音、香りに包まれました。展示の締めくくりにふさわしいインスタレーションですね

最後は、思考を整えるインスタレーション。オリジナルフレグランス「キチベエ」の香りに包まれながら、自身の体験を振り返り、これからの生き方をゆっくりと見つめ直します。

ぐるぐるみくじ:新たな物語を動かすヒント

最後のお楽しみ「ぐるぐるみくじ」

最後に、自分の物語(Narrative)を動かすヒントが得られる「ぐるぐるみくじ」が引けます。日常を新しい視点で楽しむ言葉が、感性をアップデートしてくれそうです。

筆者も引いてみました。確かに、日々ぐるぐると生きています……(笑)

「ぐるぐる展―進化しつづける人類の物語」開催概要

会場 MoN Takanawa: The Museum of Narratives(TAKANAWA GATEWAY CITY内)
会期 2026年3月28日(土) ~9月23日(水・祝)
開館時間 10:00 ~19:00(金・土曜日は21:00まで)
料金 一般2,500円/U25 1,500円/小中高生800円/未就学児無料

山手線の円環(ぐるぐる)の中に新しく生まれたこの場所は、私たちの日常や未来を「ぐるぐる」とアップデートしてくれる装置のようでした。グランドオープンで沸き立つ高輪ゲートウェイシティで今、この場所でしか体験できない「ぐるぐると進化し続ける経験」をしにでかけてみてはいかがでしょうか。

文・写真:斎藤若菜

(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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