不忍池を地上14mから一望! 上野動物園「新たな乗り物」が2029年度に運行開始へ。絶景テラス&ショップ併設の駅舎で動物園体験が変わる

東京都建設局は、恩賜上野動物園の東園と西園を結ぶ「新たな乗り物」の整備計画を公表しました。2026年度に着工し、2029年度(令和11年度)の供用開始を目指します。
かつての「上野モノレール」のルートを継承しつつ、地上最大14メートルの高さから不忍池を一望できるこの新システムは、位置エネルギーを走行に活用する次世代の省エネ設計。全車両バリアフリー対応で、ベビーカーや車いすでの移動が劇的にスムーズになります。本記事では、鉄道ファン注目の駅舎デザインや、一般利用者に嬉しい新設テラスなど、詳細スペックを分かりやすく解説します。
上野動物園モノレールに代わる新たな乗り物を整備

上野動物園では1957年、日本で最初のモノレールとして、上野動物園モノレール(正式名称:上野懸垂線)を開業しました。上野動物園の東園駅~西園駅間を長年にわたり運行してきましたが、車両の経年劣化により2019年に運行を休止。2023年に廃止されました。
東京都は東園から西園への移動手段を復活させるとともに、バリアフリー対応など現代のニーズにふさわしい最新技術を盛り込みながら安全で快適な移動を実現するため、新たな乗り物の整備計画を進めていました。
【参考】上野動物園モノレールに代わる「新たな乗り物」2026年度供用開始へ 都が基本方針示す(※2022年11月掲載) https://tetsudo-ch.com/12823146.html
バリアフリーと省エネを両立した「新たな乗り物」の全貌
新たな乗り物は3両編成(全長約21メートル)で、定員は座席数ベースで60名です。乗車時間は約3分半、最高走行速度は毎時20キロとなっており、軌道全長は約340メートル、最大勾配は約2度です。
上り勾配ではモーター駆動、下り勾配では条件により位置エネルギーを利用して走行する省エネシステムを採用しています。車内には車いすやベビーカーでもそのまま乗車できるスペースを確保し、バリアフリーに対応。最高で地上から約14メートル(地面から車両床面まで)の高さを走行し、車窓からの眺望を満喫できるデザインです。

運行ルートは、かつての上野動物園モノレールと同じく、東園と西園を結びます。ただし、展示動物への影響に配慮し、西園駅舎を不忍池に張り出す形に変更して配置する予定です。

かつてのモノレールを知るファンにとっても、最新技術で生まれ変わる「空飛ぶ乗り物」がどのような乗車体験をもたらすのか、大いに注目が集まりそうです。
旧モノレールの記憶を受け継ぐ新駅舎
東園駅舎:思い出の部品展示と曲線を活かしたデザイン
東園駅舎は建築面積約500平方メートル、高さ約9メートルのSRC造で、周辺の樹林に溶け込む曲線を活かしたデザインが特徴です。
特に注目したいのが、駅舎内に設けられる展示スペース。ここには、長年親しまれたかつてのモノレールの部品や歴史を記したパネル等を展示し、思い出を継承します。鉄道ファンや昔からの動物園ファンにとって、非常に感慨深いスポットになるはずです。

西園駅舎:不忍池を一望できる展望テラスを新設
一方の西園駅舎は、建築面積約600平方メートル、高さ約15メートルのRC造。展示動物への影響に配慮し、不忍池に張り出す形で配置します。
1階にはフードショップとギフトショップ、2階には展望テラス、そして3階に乗り場を設けます。屋根にはソーラーパネルを設置して環境に配慮しつつ、不忍池を一望できる開放的なデザインに。「西園へ移動するついでに乗る」から「景色を楽しむために乗る」という目的地化が進みそうです。特に、春の桜や夏の蓮の時期には、これまでにない角度から絶景を楽しめるスポットになるでしょう。

1957年に日本初のモノレールとして誕生した歴史が、2029年度末、最新技術とともに再び動き出します。不忍池を空から眺めるあの「ワクワク」の再来が待ち遠しいですね。なお、新しい乗り物の名称は公募により決定する予定です。名称公募が始まった際は、ぜひあなたの思いを込めた名前を応募してみてはいかがでしょうか。
(画像:東京都建設局のHPより)
鉄道チャンネル編集部
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