憧れの“食堂車” 清瀬中央公園「夢空間」レストランがついに始動【5/2開店】北斗星の記憶を刻む「夢空間」を知っていますか?(東京都清瀬市)

かつて「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」の時代に誰もが一度は憧れた、次世代の豪華寝台客車が「夢空間」です。その貴重なダイニングカーとラウンジカーが、東京都清瀬市の中央公園にて、2026年5月2日(土)より飲食事業として本格始動します。
このプロジェクトは、クラウドファンディングを通じて全国のファンから寄せられた熱い想いによって実現したもので、清瀬市の新たな観光・交流の拠点として大きな注目を集めています。車両の保存・展示だけではなく、現役当時のアール・デコ様式の豪華な内装を復元し、実際に車内で食事ができる「体験型」の鉄道スポットへと進化を遂げることになります。
いよいよ予約が開始されたこのプロジェクトに、編集部の視点を交え、紹介していきます。伝説の車両が再び息を吹き返す瞬間が近づいています。
憧れのダイニングカーが蘇る!5月2日グランドオープン
清瀬中央公園に設置された「夢空間」の2両(食堂車・ダイニングカー「オシ25 901」・ラウンジカー「オハフ25 901」)を活用した飲食事業は、2026年5月2日よりスタートします。運営を担うのは、西武鉄道の観光電車「52席の至福」などのサービスで実績のある株式会社NKB。プロの手による確かなホスピタリティで、往年の豪華列車の雰囲気を再現します。

ダイニングカーの車内は、東急百貨店がデザインを手掛けた当時のアール・デコ様式の装飾が忠実に再現されており、大きな展望窓から公園の景色を眺めながら食事が楽しめます。最新の調理設備としてIHクッキングヒーターなども導入され、衛生・安全面も考慮された「現代のレストラン」としてアップデートされています。
4人用と2人用テーブルが3卓ずつ設置され、中央部には個室もあり、ゆったりとした特別な空間で食事を楽しむことができます。

ラウンジカーでは、アール·ヌーボー調の贅を尽くした豪華な装飾の車内で、ドリンクや軽食をゆったりと楽しめます。中央に配置されたカウンターが特徴的で、電動ピアノが奏でる音色で特別な時が堪能できます。
オープニング期間となる5月2日から10日までは、かつての営業運転時に提供されていた人気メニューを再現した「復刻メニュー」を中心に提供。90分制の予約制となっており、特別な空間でゆったりと美食を堪能することができます。
クラウドファンディングが繋いだ鉄道遺産
今回の復活劇の背景には、車両の老朽化を食い止め、後世に引き継ごうとする清瀬市の意志と、2回にわたるクラウドファンディングによる多くの方々の多額の支援がありました。
(参考記事) 豪華客車「夢空間」を未来へつなぎたい! 復活プロジェクト第1弾としてCFを実施(東京都清瀬市) https://tetsudo-ch.com/12973337.html
かつて埼玉県三郷市の商業施設に設置されていた車両を移設、車両内外装の修復、空調や電装系の修理、失われたパーツ類の制作などを行い、本来の輝きを取り戻した「夢空間」は、まさに「地域の宝」として再生されました。
日本の豪華客車のパイオニア「夢空間」
「夢空間」は、国鉄がJR東日本になって唯一新造された寝台特急用の客車 24系の車両です。1989年にJR東日本が次世代の豪華寝台列車を目指し「横浜博覧会」で初公開、1991年に「北斗星トマムスキー」号として一般営業を開始しました。1両1両が異なる製造所・有名百貨店によってデザインされたラグジュアリー車両で、その後の「カシオペア」「TRAIN SUITE 四季島」などの超豪華寝台列車にも大きな影響を与えました。予約が困難ほどの人気でしたが、老朽化から2008年3月に引退しました。

1号車が食堂車「ダイニングカー」、2号車がラウンジカー「クリスタルラウンジ・スプレモ」、3号車が寝台車「デラックススリーパー」という3両1組で構成され、それぞれ緑、赤、青を基調とした鮮やかな外観をしています。
2008年の営業終了後、1・2号車は長らく「ららぽーと新三郷」に展示されていましたが、清瀬市へ譲渡されました。3号車は、現在は東京都江東区木場のフレンチレストラン「アタゴール」の敷地内に設置され、客席や個室として大切に保存・活用されています。
「見る」から「過ごす」へ、清瀬が提示する次世代の車両保存モデル
このプロジェクトでの最大のポイントは、貴重な鉄道車両を単なる「静態保存」の展示物として終わらせず、飲食という「事業」に結びつけた点にあります。この事業の収益が今後の車両維持管理費用に充てられるという事で、持続可能なサイクルに入ることができるかに注目です。
この取り組みでは、鉄道ファンの「またあの車内で過ごしたい」という願いと、地域住民の「憩いの場がほしい」というニーズが見事に合致しているように見えますが、予定通りにレストラン運営が継続できるかを見守っていきましょう。
また、近隣の図書館や児童館「まつぼっくる」と連携した読み聞かせイベント、絵本に登場する料理を車内で提供するといった試みも検討されており、実現すると子供のいるファミリー層や鉄道に詳しくない多世代の人々を惹きつける仕掛けにもなり得ます。また、地元清瀬の野菜など豊富な食材や特産品の活用や、地域の飲食店等とのコラボレーションなど、地域とのつながり構築も模索されています。
このように、このプロジェクトは全国各地で課題となっている「保存車両の維持」に対する、一つの理想的な回答となる可能性を秘めています。

「夢空間」レストラン 営業・予約の概要
・開業日: 2026年5月2日(土)
・場所: 清瀬中央公園内(東京都清瀬市梅園一丁目613)
・予約: 【清瀬】夢空間レストラン公式ページより(tablecheck 利用).
・営業日時:11:00〜21:30(LO20:00)、休業日は 水曜日と年末年始
※車両外観は、24時間観覧ができます。ライトアップ(点灯:日の入後、消灯:日の出時、車内灯の点灯なし、外観のみの)、
【主な提供メニュー】
・復刻ビーフシチューセット
・復刻ビーフカレーセット
・「夢空間」復刻スペシャルコース など
※オープニング期間(5/2〜5/10)はメニュー限定・90分制の完全予約制となります。詳細は公式サイトをご確認ください。

清瀬「夢空間」(清瀬市立中央公園)へのアクセス
【電車の場合】
・西武池袋線「清瀬駅」下車、徒歩約15分
・西武池袋線「秋津駅」下車、徒歩約25分
【バスの場合】
・清瀬駅南口より西武バス 下里団地行き・久米川駅行き
・きよバス秋津駅北口行き 復十字病院バス停下車、徒歩5分
【駐車場】
・台数:33台(清瀬市立中央公園)
・料金/最初の10分無料、30分100円 ※当日1日最大料金700円(24時迄)
かつて多くの人が夢見た豪華列車の旅が、清瀬の地で形を変えて復活します。あの重厚な扉の向こうに広がる特別な空間で、歴史を感じながら味わう食事は、忘れられない体験になるはずです。ぜひ特別な日に、豪華客車で味わう贅沢な時間を体験しに、清瀬中央公園へぜひ出かけてみてください。
(画像:清瀬市「夢空間」復活プロジェクト)
鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)
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