JR西日本桜井線、万葉まほろば線という愛称が使われています。奈良駅から高田駅までの29.4kmを結んでいます。和歌山線に乗り換えるために何度か乗っています。奈良駅の隣が京終(きょうばて)駅です。

この駅名、最初は読めませんでした。駅の所在地が奈良市南京京終町なので所在地名ですが、京の果てる場所という感じで奈良の市街地の周縁部にあります。終を「はて」と読むのは、古事記でも「弥終(いやはて)」の様に訓をふっていましたが、にわかに思い出せるほど古事記に親炙していません。

さて、京の外れで、帯を解く。とは、隣駅が帯解(おびとけ)駅なのです。

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実際は帯解寺という安産祈願のお寺が駅の近くにあるためで、残念ながら、あまり艶めいた所以ではありません。

京の外れ帯を解く櫟本(いちのもと)なんて、何やら小唄の文句の様ですが、この櫟本も櫟(イチイ)の木を知らなければ直ぐには読めません。というか筆者は読めませんでした。

列車が動き出すタイミングでシャッターが遅れて「帯解」側が切れています。すみません。

漫然と桜井線に揺られ、この様な行く宛の無い由無しことを考えて一餐するのも鉄道旅の楽しみです。

(写真・記事/住田至朗)