東武日光駅に入線したSL大樹「ふたら」

2020年10月3日(土)、SL大樹「ふたら」初の営業運転が行われました。

東武鉄道は2017年から「鉄道産業文化遺産の保存と活用」「日光・鬼怒川エリアの活性化」「東北復興支援の一助」を目的とし、東武鬼怒川線下今市駅~鬼怒川温泉駅間で「SL大樹」を運行しています。SL大樹「ふたら」は、鬼怒川温泉駅ではなく東武日光駅を発着とする列車(※)で、その愛称は男体山のかつての呼び名である「二荒山」に由来します。

※……たとえば今回のツアーではSL大樹「ふたら」は下今市駅→東武日光駅→下今市駅→鬼怒川温泉駅と運行しますが、東武日光駅発着の直通運転なので下今市駅→鬼怒川温泉駅間もSL大樹「ふたら」として運行します。

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DE10 1099にも「ふたら」ヘッドマークを掲出

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日光地区への運転は当地の方々より強い要望を受け実現したもので、今年度中は月1回程度の頻度で営業運転を実施します。本日の旅客運行第1号に乗車できるツアーは本年9月3日に東武トップツアーズより発売されたものですが、Go To トラベルキャンペーンの東京追加、地域共通クーポンが使えるようになった最初の週末ということもあり、170名の募集枠が完売しました(※)。

※……ツアー参加者はほとんどが関東在住、うち約50名が東京都在住です。実際の参加者は当日キャンセルもあったことから165名となりました。

当該列車は11時50分ごろ東武日光駅4番線に入線。日光市観光協会や日光市女将の会などによるお出迎え・おもてなしが行われました。記念すべきSL大樹「ふたら」初めての営業運転ということもあり、停車中のSLや客車、ディーゼル機関車を撮影するSL・鉄道ファンの姿も多く見受けられました。

日光市観光協会、日光市女将の会らによるお出迎えも行われました

新型コロナウイルス流行下ではありますが、東武鉄道は体調管理シートの提出や検温の実施、マスク着用などの対策を講じることで、安心して乗れる列車旅を提供するとしています。沿線住民からの期待感も強いSL大樹「ふたら」は今後の東武日光戦略の柱となるのでしょうか。

インタビューに応じる東武鉄道 鉄道事業本部 営業統括部 日光・鬼怒川エリア営業推進部 小金井敦さん
下今市へと向かうSL大樹「ふたら」の様子

文/写真:一橋正浩