日立製作所グループ 日立レールSTSアメリカ社は、米国カリフォルニア州サンフランシスコ ベイエリア高速鉄道(BART)むけ列車制御システムを更新。

列車をデジタル制御する最新技術、無線式列車制御システム(CBTC)の設計・構築・据え付けする。契約金は7億9800万米ドル(約842億円)。

無線式列車制御システム CBTC(Communication Based Train Control)は、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)がIEEE1474として規格化した都市交通むけ列車制御システム。

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このCBTC技術をグローバル展開する日立は今回、BART社むけに、CBTCの設計・製造・供給・据え付け・試験のほか、BART社の鉄道車両に搭載される車両関連機器の供給と試運転を支援する。

また今回の契約には、地上信号設備・通信・自動列車制御システムも含まれ、BART社の保守員の長期的なトレーニングとサポートのため、最長20年間の列車制御性能サポートサービスもBART社と契約した。契約金は860万米ドル(約9億円)。

ベイエリア高速鉄道は、平日平均40万5000人利用。北カリフォルニア サンフランシスコ半島とバークレーやオークランド、イーストベイエリアの都市を結ぶ路線を保有。

システム利用開始から48年以上が経過する現在の列車制御システムを、日立の新しいCBTCに置き換え、よりタイトな運行スケジュールで、より短い運転間隔で安全に列車を運行できる。

乗客の輸送能力を大幅に向上させ、1時間あたり3万人を超えるピーク時の需要に応えることが可能に。

また今回の契約には、ベリエッサ・サンタクララを経由し、シリコンバレーまでシステムを延長するオプションが含まれ、BART社は同プロジェクトで約500人の新規雇用を創出。これらのインフラ投資で全体約8800人の潜在的雇用を創出する見込み。

日立の無線式列車制御システム(CBTC)導入を含めた同プロジェクトは2029年に完成予定。

すべてが完成すると、BART 主要路線で10両編成列車を1時間30本運行することが可能に。また、最も交通量の多い鉄道区間では輸送能力増強に加え、安全性を確保させる。