ウィズコロナ時代の観光のあり方探る

「東北MaaS」のサービスメニュー=イメージ=画像:JR東日本

今回の東北DCでは、東北の観光復興とともにもう一つの目的が掲げられます。それは「ウィズコロナ時代の新しい観光のあり方を探る」。キャッシュレス化や観光MaaSといった新しい取り組みが実践されます。

キャッシュレス化はJR東日本と経済産業省東北経済産業局などの官民が連携して実行。JR東日本はSuicaをはじめとする電子マネー決済導入を推進、クレジットカード会社や金融機関と協力体制を構築します。

キャッシュレス化の対象は、DCで旅行客が訪れる観光・宿泊施設、飲食・物販店のほか、駅から観光スポットまでの移動に利用するタクシーなどで、関係機関は東北各地でキャッシュレス決済の説明会を開催。中小店舗も導入しやすい環境づくりに取り組みます。キャッシュレス化はコロナ禍収束後にも、訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備につながります。

「TOHOKU MaaS」は移動や観光をシームレス化

管内を8エリアに分ける「東北MaaS」のエリア=イメージ=画像:JR東日本

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交通の情報基盤の観光MaaSも、東北観光の未来を開く鍵。JR東日本は静岡県伊豆エリアのほか、群馬県前橋市、福島県会津若松市などで新しいモビリティ(移動手段)の実証実験に参画しており、そうした蓄積をDCに生かします。

東北DCでは、移動手段や観光などの検索から予約や決済(支払い)までを一連の流れで行えるサービス機能を備えた「TOHOKU MaaS(東北マース)」を構築。各地の自治体や交通・観光事業者などの協力を得て、スマートフォンで東北6県の主要観光エリアをシームレスに周遊できるようにします。

主なサービスとして、旅行計画支援、オンデマンド交通の予約・決済、デジタルチケット――などが予定され、宮城県内で先行実験された「TOHOKU MaaS 仙台・宮城 trial」の知見も活用します。新規会員登録者3万人、交通デジタルチケットの販売枚数3万枚、アクティビティデジタルチケットの販売枚数3万枚と、〝3並び〟の目標を設定します。