ドローンからワーケーション、御朱印、ジビエまで 鉄道各社とスタートアップ企業の協業あれこれ【コラム】

2021.07.18

カルタの社名とマークをお披露目する、JR東日本スタートアップの柴田裕、リベラウェアの閔弘圭、カルタの高津徹、JR東日本コンサルタンツ栗田敏寿の4社長=写真左から=(画像:JR東日本)

鉄道業界では、相変わらずスタートアップ(ベンチャー)企業との協業が盛んです。「創業間もなく、事業内容に革新性がある」がスタートアップ企業の定義らしいのですが、いずれにしても〝重厚長大〟の鉄道と、生まれたてのスタートアップは真逆。鉄道事業者がそんな異業種と組むのは、新興企業の技術・研究成果を取り入れ、新しい企業価値を生み出そうとしているからです。

最近は鉄道事業者がスタートアップ企業に投資(出資)して、「アイディアはあるけどお金はない」という起業家の自立を、手助けする動きも目立っています。数ある「鉄道+スタートアップ」の事例から、本サイトをご覧の皆さんに興味を持っていただけそうな話題を集めてみました。

ドローンで鉄道施設を点検

駅の天井裏をドローン点検する際のイメージ(画像:JR東日本)

JR東日本スタートアップ、JR東日本コンサルタンツ、Liberaware(リベラウェア)の3社は2021年7月1日、小型ドローンによる施設点検を手掛けるための合弁新会社「CalTa(カルタ)」を設立しました。カルタは、JR東日本とともに、鉄道施設のドローン点検手法を確立。鉄道DX(デジタルトランスフォーメーション=ICT〈情報通信技術〉による社会変革)を推進します。

カルタを設立した3社のうち、リベラウェアが2016年に設立されたスタートアップ企業。非GPS型小型ドローンの開発や映像加工・編集サービスなどを手掛けます。非GPS型ドローンとは、GPSの電波が届かないトンネル内や駅舎の屋根裏でも自動的に飛行できるドローンのことです。

新会社のカルタはJR東日本の孫会社で、スタートアップ企業といえるかどうかは若干微妙ですが、社名の「Cal」はphysiCal(物理的空間)、「Ta」はdigiTal(デジタル)のこと。カルタはもちろん百人一首とかでおなじみのゲームと同音ですが、凡人の私には聞いただけでお手付きしそうな社名ですね。

ドローンの遠隔操作なら現場に急行できる

それはさておき、ドローンによる鉄道施設メンテナンスの有効性は、本サイトのニュースでも再々指摘されているところ。カルタはトンネルや橋りょう、人の立ち入りが難しい狭い駅舎空間などの画像を撮影し、点群データを取得。その上で、データから施設の補修が必要かどうかを判断します。

自然災害時などに有効なのが、ドローンの遠隔操作(自律飛行なので遠隔といえないかもしれませんが)。被災状況の素早く的確な把握で、早期復旧につながれば何よりと思います。

カルタは本社を東京都渋谷区のJR東日本本社内に置き、資本金5000万円。社長はJR東日本社員が兼任します。

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