画像はオーストラリア ビクトリア州の州都 メルボルンの鉄道風景。

メルボルンは、シドニーに次ぐオーストラリア第二の都市で、世界で最も住みやすい都市で連続1位を獲得した実績もある地。

そんなメルボルンに郊外電車路線ネットワークをもつのが、メトロ・トレインズ・メルボルン(Metro Trains Melbourne)。

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メルボルンメトロは、こうして自分の自転車をいっしょに連れて電車に乗れる。

スポーツサイクル、BMX、ママチャリなど、ほぼなんでも載せられる。だから駅のホームやコンコースで、自転車を転がす姿が当たり前のようにあちこちでみかける。

こうしたチャリOK電車が国内都市圏で普及するには

国内へ目を向けると、こうした自転車連れ込みOK路線は、ローカル私鉄から徐々に普及しつつある。関連記事↓↓↓のように、上毛電鉄などが先に手がけ、沿線利用者に定着し始めている。

こうしたサービスは、国内都市圏でも普及するには、いろいろハードルがありそう。

まずは都市圏の主要駅にはシェアサイクルが先に普及している。

朝夕通勤時間帯の電車内は、コロナ禍でも混雑しているうえに、改札通過を一気に大量にさばくべく、できるだけ多く自動改札機を設置したからか、通過幅も狭い。

いっぽうで、「いくらシェアサイクルが普及しても、自分の自転車を分解せず電車に載せて、ちょっと離れた地を自由気ままにサイクリングしてみたい」というニーズもある。

1社単体で運行する都心直通路線でまず実現できないか

たとえば、東京都内でサイクルトレインを始めた西武鉄道 多摩川線は、自転車のサイズなどに条件を設けつつ、自転車持ち込みOK時間を平日9~17時、土休日は終日利用OKとし、武蔵境寄り1号車のみにチャリOKにした。

こうしたチャリ持ち込み時間や車両の条件を決めながら、都心を行く列車にもサイクルトレインが波及していけばいい。

複数の鉄道会社路線を相互直通する列車は、各社の安全基準やポリシーでハードルが高く、実現性は薄い。

日中に15両編成などで走り、比較的に先頭車両などに日中余裕がありそうな湘南新宿ラインや上野東京ライン、横須賀線・総武快速線などから実験的に自転車OK車両を採り入れてみるとか……。

都心を直通し、駅前にシェアサイクルがない地方ローカル駅から、自分の自転車で自由気ままにサイクリングする……なんていい。

そんな可能性と、淡い期待をいだきながら、逆のうれしい流れもある。JR東日本 千葉支社の房総サイクル列車 B.B.BASE は、自転車がなくても指定席券のみで乗れるようにした。

―――行動変容でこれまでにない移動スタイルが生まれてきそうな令和の時代。新しいサイクルトレインの登場も、楽しみ。

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