上毛電鉄(群馬県)や一畑電車(島根県)で定着した、自転車をそのまま電車に載せられる“サイクルトレイン”。

西武鉄道 多摩川線でも7月から試験運用が始まる。各地のサイクルトレインは、その実用性や地域性で違いが出てきた。

上毛電鉄は、通勤通学・買い物といった実用性を重視した、沿線利用者むけとして定着。地元の高校生やおばちゃんが、慣れた手つきと顔で自転車を電車に載せ、ホーム上を転がしている。

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いっぽう一畑電車などは、サイクリストむけ。自前のスポーツサイクルなどを電車に載せ、松江から出雲大社まで宍道湖沿いを電車で行き、そのさき、日御碕灯台などまで自分の足と自転車で駆けるというイメージ。

西武多摩川線は、上毛電鉄のように沿線地域の利便性と沿線価値向上をねらった一手のようにもみえる。

自前かレンタルか、で新しい移動スタイルも変わる

いっぽうでJR西日本グループのJR西日本レンタカー&リースは、“駅から自転車”をプッシュする。

6月11日からは、山陰線 丹波口駅(京都市下京区中堂寺北町2番地2)でシェアサイクルサービスを展開。

京都は近年、京都駅を中心部とする京都市街の混雑緩和や二酸化炭素削減にむけ、市街地からちょっと離れた駅の前でレンタサイクル・シェアサイクルを拡充させている。

この京都モデルが、東京都内や大阪市内などでも展開されれば、コロナ以降の行動変容で移動スタイルが変わったビジネスや観光のシーンでも役立ちそう。

高齢化やドライバー不足のローカルエリアの駅前は、タクシーからレンタサイクルやシェアカー、デマンドバス、自動運転バスなどに変わり、そこを訪れる観光客は3密を避けて自転車やシェアカーでひと気のない自然豊かな地をめざすかもしれない。

―――自前のチャリを載せて行くか、現地でシェアサイクルか。自転車と電車の新しい組み合わせ方が、今後各地で広がりをみせる気配。

◆定期運行列車でサイクルトレイン 西武多摩川線で7月から3か月間実施
https://tetsudo-ch.com/11524404.html
◆JR四国など、普通列車の車内に自転車をそのまま持ち込めるサイクルトレインの混乗試験
https://tetsudo-ch.com/10116471.html
◆真岡鐵道 気動車と並走!? 栃木県で自動運転バスが始動!埼玉工業大学保有車で6/20まで試乗体験OK、初めて踏切通過も
https://tetsudo-ch.com/11516330.html