JR函館線の山線(長万部―小樽間)バス転換へ 新幹線の札幌延伸開業で並行在来線の三セク鉄道転換ならず【コラム】

2022.04.16

「蝦夷富士(えぞふじ)」の異名を持つ秀峰・羊蹄山をバックに走るH100形電気式気動車(写真:makorige / PIXTA)

2022年3月末、北海道の鉄道の今後について、一つの決断が下されました。「3月27日、北海道庁と沿線市町からなる北海道新幹線並行在来線対策協議会で、JR函館線の長万部―小樽間について、バス転換することが確認されたと承知している」(2022年3月29日の斉藤鉄夫国土交通大臣の会見から)。

北海道新幹線は、新函館北斗―札幌間(約212キロ)の建設工事が進みます。2030年度末に予定される延伸開業時、並行在来線になるJR函館線長万部―小樽間(140.2キロ)について、道と沿線市町はバス転換することを容認、鉄道廃止が事実上決まりました。決定にいたるまでの経緯は、道と沿線市町で構成する「北海道新幹線並行在来線対策協議会」のホームページで、詳細に情報公開されています。協議会での議論とともに、かつてシロクニ(C62)の重連が客車列車をけん引した、通称〝山線〟の歩みをまとめました。

長万部から山線ルートで札幌にいたる北海道新幹線

最初に基本をおさえます。「並行在来線」とは、整備新幹線に〝並行する〟するJR在来線のこと。北海道新幹線では、本州側から江差線(木古内―五稜郭間)と函館線(函館―札幌間)が該当し、江差線は2016年3月の新函館北斗開業時、第三セクターの道南いさりび鉄道に移管されています。

北海道新幹線は新函館北斗以北、新八雲(仮称)、長万部、倶知安、新小樽(仮称)、札幌の5駅が設けられることになっていて、駅名で分かるように山線ルートをたどります。

JR北海道から経営分離後の並行在来線の運営方法を判断する北海道は、2012年9月に沿線市町とともに北海道新幹線並行在来線対策協議会を設置。渡島ブロックと後志(しりべし)ブロックに分けて、並行在来線のあり方を検討しています。

函館線は、函館―長万部間と長万部―札幌間で大きく性格が異なります。函館本線の線区名からは山線がメーンルートのように思えますが、現在は室蘭、苫小牧、千歳と中核都市を経由する室蘭・千歳線経由の〝南回り〟が基幹ルート。札幌―函館間の特急「北斗」や本州方面に直通する貨物列車は、すべて南回りで運行されます。

山線ルートのうち、札幌都市圏といえる小樽―札幌間を除く長万部―小樽間を対象にした、協議会後志ブロックの構成員は北海道知事と小樽市、黒松内、蘭越、ニセコ、倶知安、共和、仁木、余市の7町の各首長。2012年10月から2022年3月27日まで、あわせて13回のブロック会議を開催し、冒頭の斉藤国交大臣の発言のとおりバス転換の結論で合意しました。

次ページ三セク鉄道転換が一般的、しかし例外も


LINEで送る

オススメ記事