「人材不足が深刻化するなか、日本と台湾が手を組んで、『Together, Go Big.』をスローガンに、東南アジアや欧米へと進出していこう」

そう意気込み、東京・六本木ヒルズ49Fアカデミーヒルズで初めて開かれたのが、史上最大級の日台スタートアップイベント「日本・台湾スタートアップサミット2022」。

主催は、台湾の国家発展委員会(National Development Council:NDC)が後援する Startup Island TAIWAN。

30社超の台湾スタートアップと日本国内企業・団体が交流

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互いに第3位の貿易相手国で、官民ともに長年にわたり緊密に連携してきた日本と台湾の友好関係は、企業のグローバル市場への進出やパートナーを開拓するうえで、互いを最も重要な市場ととらえるようになってきた。

今回の日台スタートアップイベント「日本・台湾スタートアップサミット2022」は、「デジタルトランスフォーメーション」をテーマに開催。

さまざまな分野の課題にあわせて、ビッグデータ、ESG、メタバース、ライフスタイル、情報セキュリティなどの新技術が紹介された。

同サミットでは、JETRO(日本貿易振興機構)をはじめ、台湾から各分野で活躍している30社超のスタートアップ企業が参加。

会場では、スタートアップ各社の代表による、パネルディスカッションや、パートナー・投資家むけプレゼンテーションが実施され、国内企業もゲストスピーカーやイベントに参加し、500人以上が来場した。

台湾スタートアップと日本企業・戦略的投資家・日本スタートアップの3つの連携を強化

「今回の『日本・台湾スタートアップサミット2022』では、デジタルトランスフォーメーションに焦点をあて、台湾のスタートアップ企業と(1)日本企業、(2)戦略的投資家、(3)日本のスタートアップ企業の3つの連携を強化することで、台湾+日本は単純な1+1=2ではなく、今回スローガンである『Together, Go Big.』を実現するイベントとなることを期待しています」

そう話すのは、国家発展委員会 高仙桂(Kao Shien-quey コウ・セン・キ)副主任委員。

まず(1)日本企業との連携という点では、2日間のサミットを通じて、日本企業に台湾の新しいイノベーションがもたらすスマートソリューションを紹介し、日本企業との連携の機会を模索する。

例えば、アジア最大の糖尿病管理プラットフォームの「Health2Sync」、エネルギーマネジメントプラットフォームの「NextDrive」、世界トップ3のコールドウォレットを提供する「CoolBitX」、世界で2億ダウンロードを超えるソフトウェアサービスの「KDAN(ケーダン)」、ミリ波ソリューションの「TMYTEK」、キャッシュレス決済システムを提供する「Turn Cloud社」などを紹介。

すでに、日本企業との協業ソリューションを開始した事例として、サイクラフト社の人工知能セキュリティソリューション、ヨーカイ社の次世代自動ラーメン販売機、FunNow社のリアルタイム予約プラットフォーム、グリーンバイン社のピュアケアブランドなどがあげられる。

(2)戦略的投資家との連携では、台湾初のユニコーン企業である Appier が昨年日本で上場したほか、COOL JAPAN FUND、三菱商事、ジャフコなどの
日本のベンチャーキャピタルが、KKday(ケーケーデイ)、Vpon(ブイポン)、Kdan Mobile(ケーダンモバイル)、iCHEF(アイシェフ)などの台湾スタートアップ企業に多額の投資を行い、日本の投資家が台湾を重要視していることも明らかに。

最後に(3)日本のスタートアップ企業との連携という点では、台湾は近年、スタートアップ支援政策、台湾新創競技場(Taiwan Startup Stadium)、
台湾科技新創基地(Taiwan Tech Arena、TTA)や林口新創園(Linkou Startup Terrace)などの国際的なスタートアップ拠点の構築、起業家ビザの
提供など、スタートアップ育成環境の最適化を積極的に展開。

これまで米国のシリコンバレーとのつながりを重視してきた台湾が、今後は日本のスタートアップ企業との連携を強化し、日本のスタートアップ企業の台湾進出を歓迎するという。

台湾スタートアップと日本企業の連携プロジェクトのトレンドをキャッチ

国家発展委員会(National Development Council:NDC)によると、今回の日台スタートアップイベント「日本・台湾スタートアップサミット2022」には台湾のスタートアップ企業から圧倒的な反応があり、昨年 蔡総統か らNEXT BIG Award を受賞したCoolBitX(クールビットエックス)、Greenvines(グリーンバインズ)、iKala(アイカラ)、Kdan(ケーダン)、KKday(ケーケーデイ)、Pinkoi(ピンコイ)に加え、5G・AIoTやデジタルプラットフォームサービス、金融・マーケティングテクノロジー(FinTech/MarTech)、情報セキュリティの分野のスタートアップが多数参加。

同サミットでは、CoolBitX(クールビットエックス)が日本企業の HashPort 社の海外仮想通貨市場の拡大を支援し、Kdan Mobile(ケーダンモバイル)が Kabob Technology Japan と協力して企業のペーパーレス化と業務効率化を支援する電子署名サービスを推進し、H2 がサノフィ と連携してクリニックや病院に糖尿病管理ソリューションを拡大するなど、日本企業との連携プロジェクトなどのトレンドを公表。

また、Turn Cloud Tech は、日本の日立ソリューションズおよび VINX(ヴィンクス)と提携し、マルチペイメント、会員制マーケティング、ビッグデータ分析技術を連携させて企業のデジタル化を支援していくことを伝えた。

―――そこで、今回の記者発表に登壇した台湾スタートアップと日本企業・団体の事例を、ここでみていこう。

CoolBitX+HashPort

Michael Ou 氏、吉田世博 代表 ほか

FunNow+マツムラコンサルティング

TingKuan Chan 氏、松村勲 代表

H2+サノフィ

Ed Deng 氏、西龍彦 氏 ほか

Kdan Mobile+Kabob Technology Japan

Lorelei Kung 氏、厚井伸介 代表

Lydsec+ブルーグリーングループ

Lin ChengYi 氏、青柳正 社長

Speed3D+アドウェイズ

Marvin Chiu 氏、野田順義 取締役

Taiwan Startup Stadium+ディー・エル・イー

Allen John Ku 氏、椎木隆太 取締役

Turn Cloud Tech+日立ソリューションズ+ヴィンクス

Vincent Liang 氏、渡部二郎 執行役員、今城浩一 代表

Vpon+JNTO

篠原好孝 氏、蔵持京治 理事長代理

日台スタートアップのトレンドと詳細は、公式サイトをチェック!

史上最大級の日台スタートアップイベント「日本・台湾スタートアップサミット2022」に登壇した台湾耐斯広場 福澤 喬(Joel FUKUZAWA)COOは、最後にこう意気込んだ。

「日台のスタートアップ交流の新たなマイルストーンとなり、今後も継続的に交流チャネルを設け、台湾スタートアップ企業と日本企業、戦略的投資家、日本のスタートアップ企業のつながりを深め、日台が手を携えてデジタルトランスフォーメーションを推進しグローバル市場進出へとつなげていく」

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