料理と相性のよいお酒を合わせることで、料理をそのまま食べるよりも、何十倍も食事が楽しめる酒ペアリングに、いま注目が集まっている。

最近人気のワインや日本酒のペアリングをはじめ、いま最も新しいトレンドは、本格焼酎と泡盛のペアリング。

本格焼酎と泡盛は、麹と原材料を発酵させた醸造酒を、さらに蒸留させて造る蒸留酒。

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この原材料由来の風味がどんな料理にも合うと、食中酒として嗜まれててきた。

さらに最近は、新しいフレーバーや味わい豊かなバラエティーのタイプが次々と登場し、料理や食材とぴたりと合わせることで、口の中に新たな味覚が生まれ、お酒本来の香りや味わいをよりいっそう感じるという。

そこで! 本格焼酎&泡盛ペアリングの最新トレンドが体感できるシーンを、ここでチェックしていこう!

発酵食×東京の島焼酎@かまびす

虎ノ門蒸留所で自らジンを造る一場鉄平さんが「蒸留酒をもっと日常に」という思いで、2022年3月にはじめた小料理と蒸留酒の店「かまびす」(東京都江東区深川)。

発酵食、ハーブ、スパイスを和食にうまくとりいれたエスニックなテイストが、焼酎や泡盛に合うと評判に。

「遊牧民の納豆春巻」は、ラムの挽き肉と納豆というとクセの強い具材をクミンとナツメグがつなぐ、スパイシーなおつまみ。

伊豆大島の「御神火 凪海」をロックで。島の名物、クサヤと合うというだけあって、クセの強いものを受け止める大らかなペアリングを。

「白身魚の発酵白和え」は、酒粕とクリームチーズを練り上げた衣で白身魚を和え、砕いた黒豆を散らしたひと品。

八丈島の「情け嶋」の酵素シロップサワーのすっきりした飲み心地が相性抜群。発酵食と合わせることで麹由来の複雑な香りが昇華するという。

フレンチ惣菜×鹿児島芋焼酎@キッチンかねじょう

2021 年4月にオープンした立ち飲みバル「キッチンかねじょう」(東京都渋谷区幡ヶ谷)。

店主の上松晃大さんの郷里、鹿児島から届く食材で作るフレンチ惣菜に合わせるのは、ナチュラルワインと鹿児島焼酎。

「最初の一杯に焼酎ソーダ割り、それからワイン、〆にまた焼酎をロック、という飲み方もありです」という上松さんの料理は、ハーブやスパイスを巧みに使ったフランスのビストロ料理。

「ウフマヨ」には「大和桜」のソーダ割りを。自家焙煎した後に石臼で挽いたクミンとコリアンダーのスパイシーな香りが、フルーティーな芋焼酎のアクセントに。

自家製のライ麦パンにのせた「ポークリエット」にはボディのある「天狗櫻」。キリッときいたスパイスと濃厚な旨味が見事に調和。ス
パイスのフレーバーで焼酎の新しい扉が開くという。

沖縄全酒造所の泡盛が飲める角打ちが那覇空港にオープン

沖縄全酒造所の泡盛が飲める角打ち「ハイサイ酒店」が那覇空港 国内線ターミナル3Fにオープン。

泡盛のおいしさに触れてほしいという思いではじめた角打ちで、選りすぐりの古酒がリーズナブルに体験できると話題に。

たとえばクースと呼ばれる古酒は、古酒に新酒を注ぎ足す伝統的な「仕次ぎ」を行うことで、泡盛に含まれる成分そのものが熟成。

香味成分や味わいが変化し、寝かせば寝かすほどまろやかに、甘い香りを醸し、高貴な味わいに。

「本来、古酒は食中酒ではなく、食後にゆっくりと味わうものです。ここでは一杯から気軽に楽しめるので、クースの世界をまずは体験していただきたい。沖縄の宝ですから」とオーナーの金城貢さんはいう。

【豆知識】お湯を先、焼酎はあと には理由があった!

1970年代、薩摩酒造の「さつま白波」が焼酎6対お湯4の「ロクヨン」を打ち出したCMで、芋焼酎とともにお湯で割るという飲み方が東京へ進出。世界の蒸留酒の中でもユニークなお湯割りのおいしさが全国へと広まった。

おいしいお湯割りは、習慣的に「お湯を先に、焼酎は後から」。その科学的根拠を約15年前に徹底的に調査したのが薩摩酒造のかんしょ利用技術研究所(現在は製造部)にいた森山正宗さん。

彼が調査した結果、「なぜお湯割りはお湯が先なのか」の根拠が明らかに。

「お湯を先に入れることでグラスをあたため、お湯は飲み心地のいい温度に下がります。そこに常温の芋焼酎を加えると、お湯と芋焼酎の温度差で自然に対流がおき、かき混ぜなくても温度や濃度が均一に。

さらに2分おくことで、全体が混ざりまろやかな味わいになることがわかりました。黒ジョカで作るお湯割りは、科学のない時代に先人たちが編み出した知恵だとあらためて実感しました。」(森山正宗さん)

―――これからの季節、こうしたトリビアを感じながら、身体の芯からあたたまるおいしいお湯割りを作ってみて。

「日本の酒情報館」で新たな発見やトレンドをチェック!

歴史と文化を含む日本酒・本格焼酎・泡盛の魅力のすべてを「見て・触れて・体験する」ことを通じて、世界中の人に伝える施設―――日本の酒情報館(by 日本酒造組合中央会)。

ここでは、大吟醸酒・純米吟醸酒・純米酒・古酒・スパークリング清酒・貴醸酒など、全国各地のさまざまなタイプの日本酒、芋・麦・米・黒糖などの本格焼酎や泡盛、そして酒蔵の造るさまざまな果実のリキュールを常時50アイテム程度、1杯100円から試せる。

また、選ぶのが難しい人のために、バラエティー豊かで少しお得な3種セットも用意。銘柄は入れ替わり、いつでも違うお酒を味わえるというから、気になる人は公式サイトをチェックして行ってみて↓↓↓
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