LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)は、10月14日「鉄道の日」を目前に「賃貸物件の問合せが増えている鉄道路線ランキング」を発表。

首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の鉄道路線のうち、沿線賃貸物件への問合せが前年から最も増加したのは京急空港線で、駅別の前年比は、羽田空港寄りから天空橋(前年比191.7%)、穴守稲荷(前年比121.1%)、大鳥居(前年比130.1%)、糀谷(前年比119.3%)、京急蒲田(前年比117.3%)に。

京急空港線沿線には、航空会社の従業員や空港職員が多く居住し、コロナ禍では採用の停止や居住地を問わない働き方の導入が行われた。

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直近の航空需要の復調(2023年1~6月の羽田空港の旅客数は約3,671万人で前年同期比192.8%)を受け、関係者の就業体制が戻りつつあり、この状況の変化が沿線物件の問合せ増加の一因であると推察される。

おもに東京の都心部をつなぐ2位の東京メトロ銀座線は、全19駅中16駅で問合せ数が前年を上回るなど、都心回帰の動きがみられた。

昨今都心部では賃料相場が上昇するなか、とくに浅草(前年比138.3%)、田原町(前年比133.8%)、神田(前年比138.6%)といった、比較的家賃が抑えられる城東エリアの駅の問合せ数が増加しているという。

LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)は、こうした調査結果を受け、こう総評している。

「都心部を通る路線が多くランクインしました。2023年4月以降、首都圏に占める23区のシングル向け物件の問合せの割合は上昇しており、コロナ禍で郊外化した賃貸需要は、単身者を中心に都心回帰の傾向がみられます。

これは、ファミリー向け物件と比べ、シングル向け物件の家賃相場は都心・郊外とも上昇が限定的であることや、リモートワーク実施率が前年より下落していることも要因だと考えられます。

都心部の路線以外で特筆すべきは、空港アクセスを担う路線です。京急空港線(1位)のほかJR成田線(7位)がランクインしています。

また路線単位ではランク外ですが京成本線の公津の杜(前年比156.2%)や宗吾参道(前年比147.4%)といった空港付近の駅で問合せが大幅に増加しており、航空需要回復による関係者の居住需要増加が背景にあると推察できます」