2026年6月6日、埼玉県日高市の武蔵丘車両検修場にて、入場無料・事前申込不要の巨大鉄道イベント「西武・電車フェスタ2026 in 武蔵丘車両検修場」が開催されました。約8,300名が来場した今年の目玉は東急電鉄から譲受したサステナ車両「7000系」の初お披露目と、運行10周年を迎えたレストラン列車「52席の至福」の豪華共演。さらに、大迫力のトラバーサー乗車体験や新2000系モチーフの「きいろいバス」など、鉄道ファンはもちろん、休日の家族連れも1日中楽しめる充実のコンテンツ。普段は絶対に見られない車両基地の裏側や、熱気あふれる現地の様子を徹底レポートします。

武蔵丘車両検修場はどこにある?

「武蔵丘車両検修場」最寄りの西武池袋線「高麗駅」

鉄道チャンネルでは毎年のように、このイベントについてお知らせしています。しかし、筆者は今回が初めての参加! わくわくと会場に向かいました。

到着前からすでにお祭りムード!

矢印に沿って歩けば会場に辿り着けます

西武・電車フェスタ2026の会場となる「武蔵丘車両検修場」は、西武池袋線の高麗駅から徒歩約15分の立地。都内から向かう場合、池袋駅から西武池袋線急行で約48分(特急ラビューで約40分)、飯能駅に出て乗り換えるルートが一般的です。高麗駅から会場まではやや距離があるのですが、行く先々に案内が出ているため、迷う心配はありません。

特急「Laview」がこんな間近に! これはテンションが上がりますね

線路沿いを歩いている間も退屈することはありません。走り抜ける車両を眺めたり、貼ってあるクイズについて考えたり、楽しく移動しているうちに、会場が見えてきました。

クイズに気を取られていると、なかなか会場に辿り着けません(笑)

今年は「サステナ車両」と「52席の至福」に熱視線!

サステナ車両「7000系」(写真左)とレストラン列車「52席の至福」

今回のイベントで最も多くのフラッシュを浴びていたのが、車両展示スペースに堂々と並んだ「7000系」と「52席の至福」です。事前予約制の撮影会には朝早くから多くのファンが詰めかけ、熱心にシャッターを切る姿が印象的でした。

サステナ車両として生まれ変わる「7000系」初お披露目

西武鉄道のサステナ車両「7000系」

なんといっても注目は、東急電鉄から譲受し西武鉄道のサステナ車両として生まれ変わった「7000系」です。西武鉄道では、2030年度までに車両のVVVF化100%を目指しており、その一環として環境負荷の少ない他社からの譲受車両を導入しています。すでに国分寺線などで活躍する「8000系(元小田急)」に続き、この「7000系」は2026年6月27日にいよいよ運転を開始します。

6月27日の運転開始に先立ち公開

実際に間近で見ると、元のシャープなデザインを生かしつつも、西武らしい新たな息吹が感じられました。西武線内でどのような走りを見せてくれるのか、今から期待で胸が膨らみます。大手私鉄間の車両譲渡という画期的な「サステナ車両」の取り組みも含めて、注目の車両と言えるでしょう。

【参考】西武「サステナ車両」続報!東急からの譲受車両は「7000系」に デザインも決定、2026年度デビューへ(※2025年10月掲載) https://tetsudo-ch.com/13014959.html

国分寺線で運行中のサステナ車両「8000系」

向かい側には、2025年5月に一足早く営業運転を開始したサステナ車両「8000系」の姿も。当日は会場までの直通列車に使用されました。

【参考】小田急からの”おさがり電車”がグッドデザイン賞に! 西武鉄道のサステナ車両8000系、若手社員発案のデザイン・環境負荷低減の取り組みとは?(※2025年 10月掲載) https://tetsudo-ch.com/13013805.html

運行10周年の特別なレストラン列車「52席の至福」

西武鉄道が誇るレストラン列車「52席の至福」

もう一つの主役は、2016年のデビューから10周年を迎えた「西武 旅するレストラン 52席の至福」です。その名の通り、定員52名の観光電車で、車内にはオープンキッチンを完備。まるで高級レストランのような車両内で食事を楽しみながら鉄道旅を満喫できます。

芝生のピクニックエリアから見た「52席の至福」

建築家・隈研吾氏がデザインした秩父の自然を感じさせる温かみのある車両が、今回は会場内に留置。事前予約制のブランチ&カフェ営業を実施しました。

キッチン車両内、オープンキッチンの様子。着々と提供の準備が進められていました

カフェ営業開始直前のオープンキッチンでは、特製デザートの盛り付け作業が佳境を迎えていました。

美しく盛り付けられた特製デザート

この日のカフェメニューは、季節野菜のカッペリーニ、風布みかんムースとフロマージュタルト「橙霞-TOUKA-」、もちもち生地とカスタードクリーム「もっちー」、季節のフルーツ、ブルーベリーパウンドケーキというラインナップ。こちらに各自がセレクトしたドリンクが付きます。

カフェタイム利用者限定! オリジナルのハンディファン

テーブルにはメニューやカトラリーのほか、プレゼントのオリジナルグッズとして、この日のためにデザインされたというオリジナルのハンディファンがセッティングされていました。ブランチコースの利用者は通常の乗車時と同じ記念ノベルティがプレゼントされたそうです。

柿渋和紙の天井が印象的な客席車両。地元の銘木「西川材」の格子天井の客席車両もあり、2両ともこの日は満席でした

鉄道イベントの喧騒を少し離れ、特別な空間でラグジュアリーなひとときを過ごせる贅沢な企画。どの参加者も、優雅な時間を満喫している様子でした。

新2000系への愛が詰まった「きいろいバス」

「きいろいバス」は見るだけでなく、中に入って座席に座ってみることもできました

西武バスの展示エリアでひときわ目を引いたのが、今年3月から運行を開始した「きいろいバス」。2026年3月から運行を開始したこのバスは、西武鉄道の新2000系車両をモチーフにしています。

青の座席モケット(生地)は新2000系と同じモケットを採用

鮮やかな黄色いカラーリングだけでなく、車内の座席シートまで新2000系更新車両と同じモケットを採用するというこだわりの深さ。西武バスの若手社員の企画から生まれたというこのバスからは、グループの垣根を越えた強い西武愛が感じられ、鉄道ファンもバスファンも一緒になって盛り上がっていました。

【参考】西武鉄道の「黄色い電車」がモチーフ!新2000系デザインの「きいろいバス」が3月上旬運行開始 電車・バスが共演する撮影会イベントも https://tetsudo-ch.com/13021774.html

2000系写真撮影会場。行先表示がLEDから幕式になっていました

ちなみに、場内には2000系をバックに写真撮影ができるスペースもあり、こちらも盛況でした。

検修場ならではの展示や体験に大盛り上がり!

有料先着順・西武線アプリ事前申込制の「運転シミュレータ体験」

車両工場ならではの醍醐味といえば、普段は絶対に見ることができないメンテナンス機器の実演や体験、さまざまな展示です。

毎年恒例「トラバーサー」の乗車体験は今年も人気。来場者を乗せてレーンを何度も往復

電車を載せて水平移動する巨大な機械「トラバーサー」の乗車体験や、数十トンの車体をクレーンで持ち上げて台車にすっぽりと収める「台車入れ作業」の実演は圧巻の一言。日常的に利用している鉄道の安全が、こうした裏方の高い技術力と日々のメンテナンスによって支えられていることを肌で感じました。

台車入れ替え実演に使用された4000系車両

予約なしでも気軽に参加できる体験がいっぱい!

車輪転がし体験の様子。軍手をして慎重に作業します

会場のいたるところに体験スポットがあります。「運転シミュレータ体験」のように事前予約が必要な体験もありますが、その場で参加可能なコンテンツも多く、思わず目移りしてしまいました。

非常通報装置取扱体験では、SOSボタンを押すと乗務員が応答してくれます
パンタ操作体験。パンタグラフにはひし形とシングルアーム型があることなどを映像で学びつつ、ボタンを押してパンタグラフを操作できます。体験後はカードのプレゼントも!
踏切の異常を映像からAIが認識する「AI踏切異常検知システム」の体験。カメラの前に立った人の姿を認識し、枠の中に入ってしまうとピンク、枠の外にいるとグリーンで表示されます
電気の力でレールを動かして線路を切り替える「電気転てつ機」も実際に動かすことができました。レバーをぐるぐると回すと線路が動きます
主制御器操作体験は、運転士になりきって主幹制御器を操作します

実演の見学や記念撮影も人気

輪軸着脱装置を使い、車軸から車輪を抜き取る作業を実演

輪軸着脱装置を使用した、古い車輪から車軸を抜き取る作業の実演も見ごたえがありました。油を注ぐホースの設置や、精密さが求められるという車軸を水平に調整する作業、車輪を固定して油を注ぎ、車軸を抜き取りクレーンで車輪を持ち上げる作業まで、固唾を飲んで見守りました。

「マルチプルタイタンパー」は沿線の小学生の絵をラッピングした特別仕様

夜間に作業する保線機械「マルチプルタイタンパー」の展示と合わせて、子ども用作業服を着用しての撮影会が行われていました。技術系の制服と、帽子かヘルメットを着用して記念撮影ができます。

貸し出し用の制服(子どもサイズのみ)小学生までの子どもはさらにルーレットに挑戦が可能。当たればマルタイに乗車できます!
特急「Laview」(写真右)運行5周年の際に誕生した、西武鉄道の公式キャラクター「らびゅーくん」

会場内では「らびゅーくん撮影会」も実施。事前応募制で、らびゅーくんやレイルくん、スマイルちゃんと一緒に記念撮影ができました。

物販ブースではレアグッズの先行販売も!

西武鉄道のブース

物販ブースも大盛況! 最も長い列ができていたのはやはり、西武鉄道のブースでした。

「52席の至福」特別物販も実施! もちろん盛況でした

「東急電鉄9000系×西武鉄道7000系コラボグッズ」といった会社を超えた夢のコラボアイテムや、西武鉄道の車両と一緒に制服姿のサンリオキャラクターズがデザインされたグッズなど新商品が多数のため、昼の時点で購入まで1時間待ち! 長蛇の列となっていました。

これが噂の銚子電気鉄道「まずい棒」! まずいのは経営状況であって味ではないとのことですが、ルーローハン味など、なかなか攻めています

筆者が個人的に最も気になったのが、銚電のブース。何かと噂の「まずい棒」が3種類も並んでいる!

【参考】(「美味しくてごメロン!?」 銚電のまずい棒シリーズに新商品「メロンパン風味」(千葉県銚子市)※2025年9月掲載) https://tetsudo-ch.com/13010787.html

5月24日に発売したばかりの新商品「なかのさん(暫定)フィナンシェ」はプレーン味と竹炭味の2種類

ぬれ煎餅など定番商品が並ぶ中、新作の「なかのさん(暫定)フィナンシェ」を発見! 昨年秋に保護した子猫が今年5月に新駅長となったことから、様々なグッズが生まれているようです。なお、なかのさん(暫定)の正式な名前は、今月の定期株主総会で決まるとのこと。いつも臨時列車内で開催するという株主総会、株主じゃないけど行ってみたい……。

鉄道企画のブースで出会った「北陸新幹線ぶりと君」。見ているとじわじわと愛着がわいてきます

方向幕やつり革、ドア横サボといった鉄道フェスタならではの商品が多く並ぶなか、キャラクターグッズの割合も高く「こんなキャラクターがいたのか……」と感心することしきり。「鉄オタ」のみならず、幅広い層が買い物を楽しんでいました。

阪急電鉄のブース。人気商品は個数制限を設けているブースが多かったです

グッズを販売するブースはやはり、鉄道会社が中心。なかには関西から遠征しているブースもありました。

阪神電車のブースでは、ミャクミャクとのコラボグッズを発見!

せっかくなので筆者もお買い物。西武鉄道車両部の武蔵丘車両検修場の職員がこのイベントのために製作した床材キーホルダーを購入しました。割と始まってすぐに購入したのですが、既に2000系床材バージョンは売り切れ。まとめ買いをする人が多く、見る見る在庫が減っている様子でした。

筆者は30000系床材の黒をチョイス

今年は芝生の広場を開放!

「52席の至福」を眺めながら食べる食事は格別!?

なお、2026年はキッチンカーが並ぶ芝生の広場をピクニックエリアとして開放。レジャーシートを広げてゆったりと食事を楽しむファミリーの姿が目立ちました。

普段は何気なく利用している鉄道ですが、検修場という非日常の空間で、安全を守る裏方の高い技術力や、サステナ車両のような新しい環境への取り組みに触れると、いつもの車窓からの景色も少し違って見えてきそうです。いよいよデビューを迎える新しいサステナ車両に乗っておでかけするも良し、秩父方面へ足を延ばして「52席の至福」で特別な時間を過ごすも良し。次回のイベントはもちろん、今週末はぜひ西武線に乗って、新しい鉄道の魅力を探しに行ってみてください!

文・写真:斎藤若菜

(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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