吊り手と荷だなの高さ変える

在来線というか一般鉄道のバリアフリー化も急速に進みますが、ここでは東京メトロの有楽町線・副都心線用17000系車両の新機軸として、車端部の優先席部分のつり手(つり革)と荷棚(網棚)の高さを取り上げます。東京メトロはバリアフリーの観点から、つり手や荷棚の高さに配慮します。

きめ細かくバリアフリー化を進めた東京メトロ17000系電車(画像:東京メトロ)

具体的には図をご覧いただくのが一番ですが、一般席はつり手の高さが1660ミリなのに、車端部は1580ミリと80ミリ低くしています。荷棚も一般席1750ミリなのに対し車端部1700ミリで、50ミリ低くなっています。

東京メトロ17000系は一般席と車端部で荷棚やつり手の高さを変えています。(画像:東京メトロ)

最近の車両は座席の袖仕切りと荷棚をつなぐ金属バイプが整備され、これを「握り棒」と呼ぶのですが、この高さも車端部の方が50ミリ低くなっています。私もつり手の高さが違うのは気付いていましたが、荷棚も変えているのは今回、東京メトロの資料で初めて知りました。

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さらにバリアフリーに関係ないかもしれませんが、最近の鉄道車両のつり手は、長手方向のほか荷棚を渡す形で横方向にも設置され、横方向の方が若干高くなっています。人間工学の理論で、鉄道各社は快適な車内環境づくりを進めます。国の整備目標と事業者の創意工夫がクルマの両輪になって、鉄道の利用環境改善が進むことを期待したいと思います。