グランピングから温泉街再生まで JR西日本がウィズコロナの観光を追求 キーワードは宿泊業界との協業【コラム】

2021.05.30

下電ホテルのグランピング施設とテント内のイメージ(画像:JR西日本)

コロナ禍からの出口が見えない中、鉄道業界ではウィズコロナ時代の観光のあり方を追求する動きが盛んになっています。その一つが宿泊業界との協業で、鉄道事業者が送客して、ホテルや旅館が受け入れるという従来型の役割分担から一歩踏み込み、鉄道事業者も旅の目的を創出するのが、新しい流れといえるでしょう。

ここでは、JR西日本が発信した最近のニュースから「岡山県倉敷市の瀬戸内エリアに、豪華キャンプを楽しめるグランピング施設をオープン」「山口県長門市の長門湯本温泉で、温泉街の再生を観光列車で支援」の2題を取り上げ、狙いなどをまとめました。

「せとうちグランピング」で手ぶらキャンプ

JR西日本、JR西日本コミュニケーションズ、下電ホテルの3社は2021年4月28日、岡山県倉敷市の鷲羽山下電ホテル敷地内に、グランピング施設「SETOUCHI GLAMPING(せとうちグランピング)」をオープンしました。2020年9月から2021年1月まで実施した実証実験で、新しい観光の可能性を見極めつつ、感染拡大防止も確認。ゴールデンウイーク(GW)に合わせたプレオープンに続き、夏休みの2021年7月下旬にはグランドオープンを迎える予定です。

JR西日本が乗り出したグランピング、グラマラスとキャンピングを合わせた造語で、直訳は「魅力的なキャンプ」。言い換えれば、「まるでホテルに滞在するようなキャンプ」といったところでしょうか。キャンピング場がホテルのような食事を用意し、泊まるのはテントの場合もありますが、通常は一戸建てのコテージやトレーラーハウス。日本では、欧米での流行を追って2015年ごろから、一部のキャンプ場やホテルがサービスを始めました。

テントや調理器具など、多くの用品や用具を持参する本物のキャンプ(?)はクルマでないと難しいのですが、グランピングはベッドや食事を施設側が用意するので、〝手ぶらキャンプ〟も可能。鉄道事業者にも参入のチャンスが生まれました。JR西日本と、グループで広告事業を手掛けるJR西日本コミュニケーションズは、鉄道の利用促進に加え、瀬戸内国立公園エリアの観光振興につながることから下電ホテルとの協業に踏み切りました。

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