縦に荒川と新中川、横に都営新宿線や首都高速7号小松川線が走る、東京都江戸川区松江・一之江。

この江戸川区松江と江戸川区一之江のエリアをGoogleマップでみると、首都高小松川ジャンクション付近と都営新宿線一之江駅を斜めに結ぶ道―――今井街道がみえる。

この今井街道に沿って、路面電車が走っていたことをいまに伝える線路モニュメントが、ひっそりとある。

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場所は、今井街道と一之江境川親水公園が交わる付近。Googleマップには「城東電気軌道 江戸川線 跡」と登録されている。

荒川両岸の電停を路線バスで結ぶ

その名のとおり、この線路モニュメント付近には、城東電気軌道 江戸川線という路面電車の線路が、今井街道に沿って敷かれていた。

城東電気軌道 江戸川線は、1925(大正14)年に東荒川電停と今井電停を結ぶかたちで開業。

翌年には東荒川電停の対岸に、西荒川電停が開業し、錦糸町からの小松川線との路線系統が完成。荒川をはさんでとなりあう東荒川電停と西荒川電停の間は路線バスが結んだ。

そんな時代をいまに伝えるのが、この線路モニュメント。ガーダー橋のような鉄骨の上に、線路と枕木がのっている。

夏に水遊びできる広場も

この城東電車の路線を引き継ぐかたちで登場した無軌条電車(トロリーバス)や、現在の都営バス路線の話は別で記すとして、この一之江境川親水公園について。

一之江境川親水公園は、区民から「自然に近い水辺を」という声にこたえてつくられたオアシス。魚や昆虫、水生植物が生息できるように、新中川の自然水を流し、子どもたちが、夏に水遊びできる広場も3か所つくったという。

東京都江戸川区にある静かな下町のメインストリート―――今井街道。ちょっと歩くと老舗そば屋や甘味処、銭湯・健康ランドもあるから、訪れてみて。

◆下路式ブレースドレスアーチ橋の造形美、無軌条電車の足あと_都営新宿線 一之江駅へ行く途中
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◆東西線 浦安駅から新宿線 一之江駅へ、県都境の船と今井児童交通公園_無軌条電車の面影さがしに
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◆東京メトロ東西線 浦安駅から島さんぽ、川の流れで地面が動いた島のいま
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