目標は「地下鉄を核にした生活まちづくり企業」 民営化4周年迎える大阪メトロの戦略は MaaSでワクワクする大阪を【コラム】

2022.02.05

写真:鉄道チャンネル編集部

商都・大阪の地下を走るのがOsaka Metroです。前身は大阪市交通局。公営だった大阪市営地下鉄を民営化して、「大阪市高速電気軌道」として2018年4月に営業開始しました。公営ビジネスを民営化する手法は、JRグループ(前身は国鉄)や東京メトロ(前身は帝都高速度交通営団=営団地下鉄)にも共通します。

Osaka Metroを取り上げたきっかけは、2022年1月に東京都内で開かれた2回目の展示・商談会「MaaS EXPO」。プログラムに「Osaka Metroグループがめざす都市型MaaS構想」があり、取材させていただきました。Osaka Metroグループが目指すのは「交通を核にした生活まちづくり企業」。270万都市の大阪市でなぜMasSなのか。戦略を探りましょう。

利用客数は関西私鉄トップ、全国では4位

MaaS EXPOで講演したのは、Osaka Metroの上新原公治執行役員(交通事業本部MaaS戦略推進部〈企画〉担当)兼同部第1部長。MaaSに力を入れる理由を、「人口減少が本格化する関西圏にあって、移動はもちろん日常生活のあらゆる場面を便利・快適にすることで、一人ひとりの生活を豊かにし、大阪のにぎわいづくりに貢献する」とします。

セミナーを終えた上新原Osaka Metro執行役員。MaaSの狙いを「自宅から駅、そして駅から最終目的地までの移動を快適にするファースト&ラストワンマイルのモビリティー(移動)サービス充実」に集約しました。(筆者撮影)

MaaSの話に入る前に企業プロフィールを。地下鉄は御堂筋線、谷町線、四つ橋線、中央線、千日前線、堺筋線、長堀鶴見緑地線、今里筋線の8路線で、営業キロは新交通システムのニュートラムを含めて137.8キロ。ほかにバス高速輸送システム・BRTの「いまざとライナー」も運行します。輸送人員は約9億3000万人(2019年度。日本地下鉄協会調べ)で、大手私鉄では東京メトロ、東急電鉄、東武鉄道に次いで全国4位にランクされます。

市営交通の民営化で、大阪市バスを引き継いだのが大阪シティバス。こちらは86系統に534台のバスを運行、1日平均利用客は約20万人に上ります。

MaaSで移動のストレスを減らす

「大阪をMaaSでつなげる。」をキャッチフレーズにしたOsaka MaaSのビジュアルイメージ(画像:Osaka Metro)

本題に入ります。大阪は地方圏に比べて公共交通が便利なのは確かですが、一部に交通空白地帯も存在します。駅やバス停が遠いエリア、バス停は近くても本数が少ないエリアでは、移動にストレスを感じる住民もいるのが事実です。

自宅からのバス停への移動、バスから地下鉄への乗り継ぎを便利にして、ストレスを減らし移動を快適化する。コロナ収束後に期待される、大阪を訪れる訪日外国人観光客も地下鉄やバスでラクラク移動できるようにする。それが、Osaka Metroが考えるMaaSです。

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