どうなる「貨物新幹線」 JR貨物社長が2030年めどに導入判断の方針を表明【コラム】
「ハード・ソフトの課題や整備スキームについて国が主体になって検討してほしい」(JR東日本)
JR旅客会社は貨物新幹線をどう考えるのでしょうか。国交省の検討会にはJR東日本、JR東海、JR西日本の3社が出席。JR東日本の貨物新幹線に対する見解をご報告します。
①JR東日本の新幹線は高速化に取り組んでいるところで、貨物新幹線は列車ダイヤなどへの影響を十分考慮する必要がある。
②JR東日本の新幹線は5方面から乗り入れるネットワークで、貨物新幹線の運行可能区間は限定される(5方面とは東北・北海道、秋田、山形、上越、北陸と思われます)。
③貨物新幹線は旅客ホームでの荷さばきは困難で、専用の貨物ターミナル整備(既存新幹線とのアプローチを含む)が必要。
④以上の通り、貨物新幹線構想の実現にはハード・ソフト両面での課題整理が必要。整備スキームなどの問題も含め、国が主体となって検討してほしいと考える。
貨物新幹線で未来に向けた夢を描く
確かに貨物新幹線は課題も多いのですが、それでもJR貨物が実現に向けた方針を打ち出したのは、「未来に向けた貨物鉄道の展望を切り開きたい」という強い意志が読み取れるように思えます。
JR東日本も課題を挙げる一方で、貨物新幹線を否定することなく、国が主体となっての検討を求めるなど、一定の前向き姿勢が感じられます。
現状をまとめた本コラムはここまで。貨物新幹線、そしてJR貨物、JR東日本にエールを送りつつ、機会があれば続報をご報告することにして一応の締めくくりとします。

記事:上里夏生
✳︎2023年2月18日18時……一部表記を修正いたしました(鉄道チャンネル編集部)