イチから分かる小田急の新しい「箱根旅行の予約システム」 スマホ一台でロマンスカーもバスも観光スポットもスイスイ【コラム】
小田原で途中下車、バスで箱根に向かう

小田急が今回のサイトリニューアルで、売り込みに力を入れ始めたエリアがあります。それは「小田原」。神奈川県西湘エリアの中心都市で、小田原市は人口約19万人。小田原駅は小田急と箱根登山鉄道の境界駅。JRは東海道新幹線と在来線の東海道線、さらに小田原と大雄山を結ぶ伊豆箱根鉄道大雄山線の、合計5路線が集まる交通の要衝です。
ロマンスカーで箱根を旅行する場合、小田原をスルーしてしまう方が多いのですが、それはもったいない。小田急は途中下車で魅力を味わってもらおうと、旅行クーポン「Enjoy!おだわらチケット」の発売を始めました。

購入方法は、デジタルチケット同じくサイトから。ロマンスカーと同時予約のほか、おだわらチケット単独でも購入できます。
小田原に着いたら、駅構内(自由通路)にある「小田急旅行センター 小田原」に立ち寄りましょう。店頭のQRコードをスマホで読み取り、カウンターで紙のチケットに引き換えれば、街歩きの出発準備は完了です。

チケットは、食事券「たべチケ」(1枚)と観光・土産券「ぶらチケ」(2枚)の3点セット。食事は海鮮丼、そば、漁師料理などから、観光・土産は小田原城天守閣、特産の干物などからチョイスできます。
小田原観光を終えて箱根に向かう際は、駅に戻って登山鉄道に乗車してもいいのですが、小田原駅発の箱根登山バス(路線バス)に乗車するのもグッド。行きはバス、帰りは電車を乗り分ければ、箱根の違った表情を味わえます。
箱根観光の最新ニュースでは、名門「箱根ホテル小涌園」が2023年7月12日にグランドオープンします。運営は藤田観光。1959年開業で、2018年1月に閉館。約5年半の建て替え工事を終え、温泉・自然・食事の三拍子そろった滞在拠点として歴史を刻み始めます。
箱根の山と相模湾を行く鉄道を撮る

ラストは、鉄道ファン目線での小田原・箱根旅。小田原は東京からの鉄道が、山(小田急、箱根登山鉄道)と海(東海道線)に分かれる分岐点です。
ワンポイント紹介すれば、登山鉄道の新しいフォトスポットが、天空を列車が走る(ように見える)、宮ノ下―小涌谷間の蛇骨(じゃこつ)陸橋。2019年10月の台風19号で大規模に被災しましたが、箱根登山鉄道と神奈川県などは工法を工夫して早期復旧を実現しました。〝復旧ヒストリー〟は2022年6月、本コラムで紹介させていただきました。
もう一方の、海を走る絶景の鉄道は東海道線早川―根府川間の石橋橋りょうが思い浮かびます。ブルーの相模湾をバックに特急「踊り子」(もちろん他の列車でも)に向けてシャッターを切れば、小田原・箱根旅の本当の魅力を実感できるでしょう。
記事:上里夏生
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